必要?不要?がん保険の必要性
掲載日:2016年8月31日
既に医療保険に加入している方でも、がん保険に加入した方がいいのでしょうか?そもそもがん保険は本当に必要なのでしょうか?
がん保険は必ず加入しなければいけないわけではありませんが、がん保険の必要性を確認しましょう。
日本人の主な死亡原因
厚生労働省「人口動態統計(平成26年)」によると、日本人の死亡原因の第1位は悪性新生物=がんになっています。第2位は心疾患ですが、がんでの死亡者数は心疾患での死亡者数の約2倍となっており、がんで亡くなる方が非常に多いというのが日本の現状となっています。昭和56年以降、30年以上死亡原因の第1位はずっとがんになっており、第2位以下の死亡者数を大きく引き離しています。
資料:厚生労働省「平成26年(2014)人口動態統計(確定数)の概況」をもとに作成
健康保険適用外の治療
がんも他の病気やケガと同じように、健康保険適用内の治療であれば治療費の1~3割負担で済みますし、高額療養費制度も適用されますので、自己負担額が高額になるという心配は少ないです。しかし、先進医療を受けた場合は、先進医療にかかった費用は健康保険が適用されず全額自己負担になりますし、がんは転移、再発で入退院を繰り返したり、通院治療が長期化したりするリスクもあります。
仕事や収入確保への影響
がんは死に至る病ではなく治療により治すことができる病気になりつつありますが、今まで通りの仕事を継続し、収入を確保しつつ治療を受けていくことが難しくなる可能性があります。治療を受けながらの就業は、肉体的にも精神的にも負担となりますし、時短勤務等について職場の理解が得られるかどうかも心配です。また、一度退職すると再就職が難しい現状もあります。
特に働き盛りの家計を支えている人ががんになると、子どもの教育費や住宅ローンの支払いに影響が出ることも考えられますので、他の世代に比べ、より深刻になるかもしれません。
まとめ
がん保険は、傷病手当金等がない自営業の方や、小さな子どもがいる方は、医療保険の上乗せとしての必要性がより高いでしょう。自営業の方は会社員の方より公的な保障が手薄ですし、小さな子どもがいる方はがんの治療を受けることにより支出が増加し、かつ収入が減少すると教育資金準備に影響が出てしまうからです。また、親族にがんで亡くなった方がいらっしゃって不安な方は、精神的な安心を得るためにがん保険へ加入するのもよいでしょう。
がん保険はがんに特化した保険です。がんと診断された時に給付される一時金(※)は使い道が自由なため、健康保険適用外の治療や長期の入院および通院等に備えることができ、治療費支払いのために預貯金が減少する不安を軽減することもできます。このような観点からがん保険の必要性を検討しましょう。
(※)一時金のない商品もあります。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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掲載日:2020年5月1日
がんになったら治療にどれくらいお金がかかるの?
がんと診断された時、「家族へどのように伝えるか」「仕事はどうするか」「治療のためのお金をどのように準備するか」等、さまざまな心配があると思います。
そのなかでも、がん治療にかかる費用はどれくらいなのかという心配は、特に大きいのではないでしょうか。
がんの治療費は、がんの部位や病状の進行度合、治療内容によって大きく異なります。
厚生労働省の調査によると、国民健康保険利用者の場合、1日あたりの診療費は以下のようになっているというデータがありますので、目安として参考になるでしょう(診療費全額のため、自己負担額とは異なります)。
入院・入院外のがん治療1日あたりの診療費
入院診療費 | 58,946円 |
---|---|
入院外診療費 | 37,102円 |
資料:厚生労働省「平成29年度 医療給付実態調査」をもとに作成
注意点として、入院時の差額ベッド代等は公的医療保険の対象とならないため、利用した分だけ自己負担費用が増える可能性があります。
また通院時には、放射線治療や抗がん剤治療を受けていると、副作用で疲労感や吐き気を感じる場合があり、公共交通機関の利用が難しくなることもありえます。タクシー等を利用することになり、出費がかさむかもしれません。
がんの治療費だけでなく、自己負担となる費用についても備えられると、より安心できるでしょう。
がん保険の基本情報
がん保険に入る前に
知っておきたいこと