がん保険の特長と注意点
更新日:2021/8/26
がん保険への加入を検討する際、医療保険に加入しておけば十分と考える方は多いかもしれません。
もちろん、医療保険に加入していれば、がんによる入院や手術も保障されますが、がん特有の再発や転移によって入退院を繰り返すような場合や通院での治療、先進医療など自己負担の大きくなる可能性のある治療を行うかもしれないことを考えると、医療保険の保障のみでは十分ではない可能性があります。
このコラムでは、がん保険の特長と注意点についてお伝えします。
医療保険のみでは保障が十分ではない可能性とは
もし、がんと診断されたとき、治療費はどのくらいかかるのか、どのくらい入院することになるのか、治療の後遺症、退院後の通院、家族の生活費など、さまざまな不安があると思います。
医療保険だと、幅広い病気やケガが保障されますが、このような不安が解消されるほど十分な保障はありません。
厚生労働省「令和元年度 医療給付実態調査」[1]をもとに計算すると、がんで入院した場合の医療費は、全てのがんの平均で70万円ほどかかることが分かります。
なお、がんの治療では、先進医療や自由診療で全額自己負担となってしまうことがあります。
全てのがんの受療率をグラフで見てみると、入院での受療率よりも通院での受療率が増えていることが分かります。
実際に仕事をしながら通院している方も多く、再発や転移で入退院を繰り返すケースもあり、入院給付金の支払給付日数に制限がある医療保険ではカバーしきれないことがあります。
がん保険の特長
(1)がんと診断されたときに一時金を受け取ることができる
がんと診断されたときに受け取ることができる「がん診断給付金」は、がんの進行度合いに関係なく、50万円や100万円などのまとまった一時金を受け取ることができます。
一時金は、どんな用途にも使えるので、治療費をはじめ生活費にもあてることができます。がんと診断されたときの金銭面的な不安を少しでも解消することができるでしょう。
また、診断給付金が複数回支給されるようなプランであれば、再発・転移した場合でも、より安心することができるでしょう。
保険会社によっては一時金のない商品や特約となっている商品もあります。
(2)さまざまながん治療を保障
がんの主な治療方法として、3大治療と呼ばれる手術(外科治療)・放射線治療・化学療法(抗がん剤治療)があり、がん保険のなかには、この放射線治療や抗がん剤治療を受けたときに給付金が支払われる商品があります。
また、先進医療や自由診療にかかる費用は、全額自己負担になるため高額になることもありますが、特約を付加するなどカスタマイズすることで、このような治療を受けた際の経済的な大きな負担をカバーすることができます。
(3)入院給付金には日数制限がないのが一般的
がんで入院したときに受け取ることができる「がん入院給付金」は、1入院あたりの支払給付日数や通算入院日数に限度がなく、無制限になっているのが一般的です。
また、放射線治療や抗がん剤治療などを通院で行うケースもあり、通院による治療には通院給付金などで備えることができる商品や、入院・通院にかかわらず、がんの治療に備えることができる商品もあるため、長期入院の場合や通院で治療を行う場合、入退院を繰り返すようになった場合の不安を解消することができます。
がん保険に加入するときの注意点
(1)がん以外の病気やケガの保障がない
医療保険は病気やケガなど幅広いリスクに備えることができますが、がん保険はがんに特化しているため、がんになった場合のリスク対策しかできません。
(2)免責期間(待機期間)がある
一般的にがん保険は、契約日から3カ月または90日の待機期間と呼ばれる免責期間が設けられています。もし、免責期間内にがんと診断されても保障の対象にはなりません。
がん保険と医療保険を併用した場合の特長と注意点
がん保険では、診断時にまとまった給付金が支払われることが一般的なので、入院の準備や一時的な生活費にもあてられます。
また、手術や入院では、両方の保険から給付金が支払われる場合もあるため、公的医療保険の対象にならない差額ベッド代やその他の費用など、より良い治療環境を整える費用として利用できるかもしれません。
幅広い病気・ケガに備えながら、特にがんに対する保障を手厚くできるのが、がん保険と医療保険を併用した場合の特長といえるでしょう。
ただし、2つの保険に加入し続けるということは、保険料も2つ分支払い続けるということです。無理なく保険料を支払い続けていけるかも考えておくことが大切です。
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がん保険はあくまでがんに特化した保険
がん保険では、これらの特長や注意点が取り上げられることがありますが、がん保険はあくまでがんに特化した保険です。
預貯金額や、加入中の医療保険の保障内容がどのようなものかを考慮する必要はありますが、がんになったときへの備えとして、がん保険への加入を検討してみてはいかがでしょう。
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- ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
- ※ 掲載日は2017年2月16日です。
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