がん保険の種類
がん保険の商品選びをする前に、がん保険の種類を確認しましょう。最近では生命保険会社だけではなく、損害保険会社でもがん保険を販売しています。
1. 保障対象
がん保険は、がん(悪性新生物)保障に特化した保険ですので、胃がんや肺がん・乳がん等幅広いがんへの保障が得られます。ただし、上皮内がん(上皮内新生物)は保障の対象外になっていたり、他のがんに比べて受け取れる給付金が少なかったりする場合があります。
また、がん保険は一般的に、加入から90日(あるいは3カ月)経過後に保障が開始されますので注意が必要です。
2. 保障内容
がん保険の基本的な保障は、がんと診断されたときに受け取る「がん診断給付金」、がんで手術したときに受け取る「がん手術給付金」、がんで入院したときに受け取る「がん入院給付金」の3つになります。
がん診断給付金は、初めてがんになった場合のみ受け取れる商品もあれば、初めてがんになった後に再発・転移した場合や、新たな別のがんになった場合でも受け取れる商品もあります。
がん入院給付金は、医療保険のように1入院あたりの支払限度日数や、通算支払限度日数に制限がないのが特徴です。
また、がんで通院治療した場合の保障や、重粒子線治療等の先進医療を受けた場合の保障、抗がん剤治療を受けた場合の保障や、がんで亡くなった場合の死亡保障がある商品もあります。
3. 保障期間
保障期間は、一生涯の保障が得られる「終身型」と10年間等の保障が得られる「定期型」の大きく2つに分かれます。終身型は契約期間中に保険料が上がることはないですが、定期型は更新のたびに保険料が上がります。働き盛りの世代で教育費の負担が重いときは保険料を抑えられる定期型、老後のがん保障を今から確保しておきたいときは終身型を選択することが考えられます。
4. 保険料払込期間
保険料払込期間は、定期型であれば、保障と保険料払込期間が同じであることが一般的です。終身型は、一生涯支払い続ける「終身払い」と60歳等で支払いを終える「短期払い」の2つがあります。この場合、保険料を抑えるのであれば終身払い、老後の年金収入から保険料を負担するのは避けたいと考えるのであれば短期払いの選択が考えられます。
5. 貯蓄性の有無
契約期間中に解約した場合に解約返戻金が受け取れるタイプや、一定期間経過後に生存していると受け取れる生存給付金等がある貯蓄性タイプと、掛け捨てタイプがあります。もちろん、貯蓄性タイプの方が掛け捨てタイプより保険料が高くなります。
6. まとめ
最近の傾向としては、がんでも入院日数は短期化していますので、がんと診断されたら受け取れるがん診断給付金を重視する考え方や、入院せず通院治療を行うケースも増加していますので、「通院保障」が付いている商品を選択する考え方が広まりつつあります。実際の保険相談現場においても、がん診断給付金を受け取ればその後どのような治療にもそのお金が使えるという考えから、がん診断給付金を重視する方が増加していると感じます。
がん保険と言ってもさまざまな種類があるため、商品選択の前にどのようなリスクに備える必要があるのかを考えてみるようにしましょう。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
- ※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※本記事は、2016年8月10日に掲載された記事です。そのため、記事内容は掲載日のものであり、現在と情報内容が異なっている場合がございますので、本記事の閲覧・利用等に際しては、ご注意ください。
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掲載日:2020年3月2日
生命保険会社のがん保険と、損害保険会社のがん保険
がん保険には、生命保険会社から販売されている商品と、損害保険会社から販売されている商品があります。
生命保険会社のがん保険は、がんと診断された際や、がんで入院・手術をした際に給付金を受け取れるのが一般的です。保険期間は、保障が一生涯続く終身型と、10年など一定期間または60歳までなど一定年齢まで保障される定期型があります。
一方、損害保険会社のがん保険は、一般的に、治療にかかった費用が実額補償されます。先進医療や自由診療も補償の対象です。なお、給付金によっては上限額がある場合があります。また、保険期間については、5年など期間が決められており、生命保険会社の商品より比較的短くなっています。
自分が求める保障(補償)は何なのか、よく考えて選択・加入することをおすすめします。分からない場合は、保険会社や保険代理店など保険のプロに相談すると良いでしょう。