どんなタイプのがん保険を、どう選べばいい?
がん保険を選ぶ際、「どんな基準で選べばいいのか?」と悩まれると思いますが、まずは、「保障期間」と「保険料の支払方法」の2つの基準で選ぶと良いでしょう。
「保障期間」は、加入後から一生涯を保障する「終身保障タイプ」と、加入後から一定期間、例えば10年間だけを保障する「定期保障タイプ」があります。
終身保障タイプの保険料支払方法は、一生涯払い続ける「終身払タイプ」と、60歳等の一定年齢で払い終える「払済タイプ」があります。
一方、定期保障タイプの保険料支払方法は、保障期間内は一定額となっていて、更新した場合に更新時の年齢・保険料率で計算されるため、通常は保険料が上がっていきます。
このように、保障期間と保険料の支払方法を見比べただけでも複雑です。
がん保険は各社が特徴を出すため、保障も保険料も加入者側に立ち、少しでも安心感があるようにと様々な視点で商品が打ち出されています。
ただ、保険会社が加入者に良かれと思った特徴は、さほど知識を持ち合わせていない選ぶ側からすれば、かえってがん保険を複雑化しているように思います。
複雑であればあるほど、自分に合うがん保険はどれがいいのか、悩むところです。
そこで、各自のライフプランに合うがん保険の備え方を考えてみましょう。
定量的な方法で選択する
一般的に年齢が若いうちに「がん保険」に加入すれば、支払保険料の負担は少なくて済みます。つまり、少しでも若いうちに「終身保障タイプ」を選べば、加入時の保険料が生涯変わらず続くというメリットがあります。
また、「定期保障タイプ」は一定期間の保障なので、その期間内は支払保険料も一定額となります。もちろん期間の更新は可能です。
支払保険料を比較した場合、「終身保障タイプ」よりは「定期保障タイプ」の方が、期間が限定されている分安くなっています。
つまり、一生涯の保障を加入時から得ておきたいのか、支払保険料を少しでも安くなるようにしたいのかという判断が大切です。
子どもの教育資金需要がある方への提案
子どもの教育資金の負荷が大きい時期でも、がん保障は必要でしょう。
ですから、そのような時期のがん保険は「定期保障タイプ」を選択し、家計の負担を少しでも軽くしましょう。
そして、お子さまの教育期間が終了した後≒定期保障期限が切れた後は、「終身保障タイプ」を選び直します。
もちろん、加入年齢が高くなるわけですから、保険料も若干高くなります。しかし、お子さまの教育期間が終了した後ですから、家計的にも保険料負担を受け入れやすい環境になっているでしょう。
がんは一生涯の病気ですから、基本的に「終身保障タイプで備える」という提案です。
がん保険の保険料は、医療保険や死亡保険と比べて、比較的保険料負担は少なく済みます。
ただ、「ちりも積もれば…」というように、保険料は長期に渡って支払っていかねばなりません。
ライフプランのなかで資産形成が大事な時期ほど、がん保険の保障と支払方法は賢く備えたいものですね。
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コラム執筆者プロフィール
市田 雅良 (イチダ マサヨシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 1999年、ファイナンシャルプランナーとして独立。
資産運用、相続対策、生命保険の見直しなどの分野でセミナーや相談業務を行う。
FP相談としては年200件超のライフプラン提案を行っている。
また、日銀が支援する金融広報アドバイザーとして金融教育の普及に携わり、「KIDSマネー教育」、「生活経済セミナー」などで活動中。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 市田 雅良
- ※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
- ※本記事は、2013年11月18日に掲載された記事です。そのため、記事内容は掲載日のものであり、現在と情報内容が異なっている場合がございますので、本記事の閲覧・利用等に際しては、ご注意ください。
こちらの記事も参考に
掲載日:2020年4月6日
がん保険の選び方、保障はどうする?
がん保険は、どのような保障内容のものを選ぶと良いのでしょうか。
がん保険の保障は、高額になる可能性のあるがんの治療費用をカバーし、また生活を維持継続するためにも役立ちます。いざというときに必要な費用を補えるように、保障を選びましょう。
がん保険商品の主な保障内容
保障・給付金名 | 保障内容 |
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がん診断給付金 | がん診断時に一時金で受け取れる。保険期間を通じて1回受け取れる商品と、複数回受け取れる商品がある。 |
がん手術給付金 | がんで所定の手術を受けたとき、入院給付金日額に一定倍率をかけた額、もしくは定額を、手術の種類に応じて受け取れる。 |
がん入院給付金 | がんの治療を直接の目的として入院したときに、一般的に支払日数無制限で受け取れる。 |
がん通院給付金 | がんの治療のために通院したときに受け取れる。商品によっては「がんで所定の期間入院し、退院した後に通院したとき」などの条件がある。 |
抗がん剤治療給付金・ ホルモン剤治療給付金 |
抗がん剤治療・ホルモン剤治療を受けたときに受け取れる。 |
がん先進医療保障 | がんの治療を目的として先進医療を受けたとき、その技術料相当額の給付金を受け取れる(通算500万円~2,000万円が一般的)。 |
どの保障が主契約に含まれているのかは、保険会社や商品によって異なります。
また、初期段階のがんである「上皮内がん(上皮内新生物)」を給付金支払いの対象とするかどうかなども、保険会社や商品によって異なるので注意しましょう。