多様化するがん保険

保障内容が細分化して多様化の一途をたどっている
がん保険は、保障対象をがんに関することだけに絞った保険です。
以前のがん保険は、診断給付金・入院給付金・手術給付金・死亡保険金(がん以外で死亡しても少額の保険金が付いているものもある)が一般的に各社共通した保障で、通院給付金・退院療養給付金・高度障害給付金の保障は各社ごとに取り扱いが異なる商品でした。
ところが、ここ5~6年で各社独自の保障内容を盛り込んだがん保険が発売され始め、保障内容は細分化し、多様化しています。
昔のがん保険と最近のがん保険では、どのような違いがあるのか見ておきましょう。
昔のがん保険の診断給付金は、初回一回しか支払われないものが一般的で、上皮内がんが保障対象外であったり、保障されても他のがんより少額の場合がほとんどでした。
最近では商品によって差がありますが、初回だけでなく条件によっては何度も診断給付金が給付されるものや、上皮内がんも同額の保障をつけるものが増えてきました。
また、昔は診断給付金の支払い条件に入院を挙げる商品が多かったのですが、現在では入院しなくても保障の対象となるものがほとんどです。
入院給付金は基本的に、ほとんどの商品で1日目から日数無制限で給付されます。
手術給付金は、以前は手術の種類で1回あたりの給付金額を変えている商品が多いようですが、最近は1回あたりの給付金額を統一した定額の商品が増えています。
昔と今とで大きく異なり、しかも注目したい保障は通院給付金です。昔のがん保険の通院給付金は、所定の日数以上の入院をした後の通院に対してしか保障されないものも多くありましたが、最近では入院しない場合も、または1日以上などの短い入院後の通院でも給付の対象になる傾向があります。
これは、最近のがん治療が通院(外来)だけで行われることが増えたためです。
その他、最近は放射線治療給付金、抗がん剤治療給付金、先進医療給付金など最近のがん治療に対応した新しい保障を盛り込んでいる商品も目立ってきました。
- がん保険選びの豆知識
- がんにかかったことがあっても、加入できるがん保険もある!
- がん保険は、がんにかかったことがない人が、がんにかかった場合に備えて入るものです。
- ですから、がんにかかったことのある人は入りたくても入れないのが基本です。
- しかし、がんにかかったことがあっても、一定の条件を満たせば入れるがん保険もあります。
- ただし、一般的ながん保険と比較すると保険料が割増されています。保障とのバランスを考えて検討してください。
ファイナンシャルプランナー 小川 千尋
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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掲載日:2020年4月24日
がん保険は必要?不要?判断するための基準とは
国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」によると、2006年から2008年にがんと診断された方の5年相対生存率は男女計で62.1%(男性59.1%、女性66.0%)となっており、がんにかかっても適切な治療をすれば生存できる可能性が高いことが分かっています。
がん治療は治療費が心配になりますが、それを賄う手段の1つが、がん保険です。
では、ご自身にがん保険が必要なのか不要なのか、何を基準に判断すれば良いのでしょうか。
がん保険が不要であると考えられるのは、貯蓄などの準備ができている方です。もしもがんにかかっても、治療費を自己資金ですべて賄えるなら、がん保険は必要ありません。
ただし、他に利用目的がある貯蓄を取り崩さなければならない可能性があるなら、がん保険への加入を検討しておく方が良いでしょう。
がん保険では基本的に、使途が自由な現金が給付されることから、がん治療の月々の治療費や通院時の交通費などの諸経費や、生活費の支出を補うために有用といえます。
がんにかかったとき、適切な治療を受けながら生活を維持・継続するために、がん保険は必要と考えて検討するのも手段の1つでしょう。