がん保険の特徴
がん家系なのでがん保険を検討しています。加入するとすればどのようながん保険を選べば良いでしょうか?
年齢別にみた主な死亡理由を見ると、20代では交通事故等不慮の事故で亡くなるケースが多いものの、その他の年代ではがんで亡くなる割合が一番高くなっています。
特に60代では48%となり、ほぼ2人に1人はがんで亡くなるというのが現状です(厚生労働省「平成23年人口動態統計」)。
私も身内でがんが原因で亡くなった人が多く、がん家系なので心配になる気持ちはよくわかります。
ただ、最近、がんは不治の病ではなく、治療によって完治あるいは延命できるケースが増加しています。
がんの病気別5年生存率で主なものをご紹介すると、胃がんで64.3%、乳がんで87.7%、前立腺がんで84.6%になっています(がん研究振興財団「がんの統計2012年版」)。このような結果から、がんは治る病気であると理解して良さそうですね。
また、がんになると治療にお金がかかりますが、平均入院日数は減少傾向になっています。
例えば、65歳以上の人ががんで入院した場合、平均で22.4日になっています(厚生労働省:平成23年患者調査)。
思っていたより短いと思いませんか?がんは入院よりも通院で治療していく時代になっているのですね。
では、がん保険への加入を考えた場合、どのようなことに注意したら良いでしょうか?
通院治療に手厚い保障が付いている保険を選びたいところですが、がんになったら一時金100万円を受け取れる保障が付いている一時金重視の保険を選ぶことをおすすめします。
通院保障には給付に関して条件が付いているケースが多いので、全ての治療に充当できる一時金重視のがん保険が良いかと思います。
がん保険に加入しておけば、がんになった時の金銭的なリスクに備えることはできますが、精神的にはかなりの負担になりますので、がんになった後のことよりもがんにならないためにはどうすれば良いのかを考えるようにしましょう。
がん検診を受診されたことはありますか?
がん検診の受診比率(40歳以上)は年々上昇していますが、それでも、例えば男性の胃がん検診で34.3%、女性の乳がん検診で31.4%とまだまだ低いのが現状です(厚生労働省:平成22年国民生活基礎調査)。
がん検診に関心はあるけれども、日頃忙しくて受診したことがないという人が大半のようです。がんは早期発見が一番ですので、定期的に受診するようにしましょう。
がんになった後のリスク対策・がんにならないための対策(規則正しい食生活・適度な運動・ストレス発散等)・早期発見の対策をしっかり取るようにしてくださいね。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
この記事も参考に
掲載日:2020年3月17日
がんの治療費用はいくらかかる?
がんの治療にかかる費用は、がんの治療法やがんの種類により差がありますので、治療にかかる費用を知っておくと、がん保険を選択する際に役立ちます。
入院・通院の費用
近年がんの治療は通院での治療が増えているため、以前と比べて入院日数も少なくなってきています。
また、厚生労働省「平成29年度 医療給付実態調査」をみてみると、悪性新生物の1日当たりの医療費の目安が分かります。
悪性新生物の1日当たりの診療費
【制度】 | 【入院】 | 【入院外】 |
---|---|---|
協会(一般) | 65,550円 | 35,382円 |
組合健保 | 70,362円 | 36,217円 |
共済組合 | 70,678円 | 37,778円 |
国民健康保険計 | 58,946円 | 37,102円 |
後期高齢者医療 | 45,344円 | 27,753円 |
- 「協会(一般)」:全国健康保険協会管掌健康保険
- 「組合健保」:組合管掌健康保険
- 「国民健康保険計」:国民健康保険(市町村)と国民健康保険組合の合計
- 「後期高齢者医療」:後期高齢者医療制度
資料:厚生労働省「平成29年度 医療給付実態調査」をもとに作成
先進医療を受ける場合の費用
先進医療とは、厚生労働省が定める特定の病院のみで受けられる新しい手術や治療を指し、医療技術ごとに対象となる症状などが決められています。
先進医療を利用した際の技術料は公的医療保険の対象外で、全て自己負担となり、その他の診察料や検査料、投薬料などは公的医療保険が適用されます。
がんの治療に用いられる主な先進医療は、厚生労働省「令和元年6月30日時点における先進医療Aに係る費用」によると、「重粒子線治療で約308万円」、「陽子線治療で約269万円」となっています。
先進医療にかかる費用の負担を不安に思う方は、基本保障に先進医療の保障がある保険商品や、先進医療が保障される特約が付加できる保険商品を検討すると良いでしょう。
その他の費用
その他にかかる費用として、入院時の差額ベッド代や食事代、日用品やお見舞い返し、人によっては、乳房再建術を行ったり、ウィッグ(かつら)を使用したりすることも考えられます。
通院するたびに再診料や投薬注射料などや、通院時の交通費がかかることも念頭においておきましょう。
このように、入院中だけでなく、退院してからもさまざまな費用がかかることがあります。
仕事をされている方は治療のために仕事を休むことも考えて、働けないときの生活費を保障してくれる保険商品への加入を検討してみても良いでしょう。