「共済の医療共済」と「民間の医療保険」との違いを教えてください。
「共済の医療共済」と「民間の医療保険」は、根拠法令や監督官庁、事業目的などが大きく違います。保障機能としてはどちらも変わらないため、自分の希望にあわせてプランを選択しましょう。
「共済」と「民間の生命保険会社」の違い
「共済」と「民間の生命保険会社」は、前提となる根拠法令や監督官庁の違いから下表のような違いがあります。
共済 | 民間の 生命保険会社 |
|
---|---|---|
保障の 名称 |
共済 | 保険 |
支払う お金 |
共済掛金 | 保険料 |
受け取る お金 |
共済金 | 保険金 給付金 |
剰余が 出た場合 |
割戻金 | 配当金 |
監督官庁 | 厚生労働省や 農林水産省 など |
金融庁 |
根拠法令 | 消費生活協同組合法 や 農業協同組合法 |
保険業法 |
事業目的 | 非営利事業 | 営利事業 |
また、共済は、原則として組合員やその家族が加入することができるのに対し、民間の生命保険は、原則として日本国内に居住していれば加入することが可能です。
これらの違いを踏まえたうえで、「共済の医療共済」と「民間の医療保険」の特徴を見ていきたいと思います。
「医療共済」の特徴
- 医療共済にも「定期タイプ」と「終身タイプ」がある
-
- 定期タイプ
- 定期型の多くが、一定の年齢まで一律の掛金で、同じ保障内容で加入することができますが、高齢期(60歳や65歳)には保障が減少するプランもあります。
多くの場合、60歳くらいまでは、新規加入で検討する場合に、加入年齢による掛金のアップを考えなくても済むといえます。
しかし、共済によっては、特定の年齢から掛金はそのままで、高齢期用のプランに移行したり、保障内容が小さくなったりする場合があるので注意が必要です。 - 終身タイプ
- 終身型の場合、民間の医療保険と同じように、加入時の年齢や性別により掛金が変わります。保障内容は、一部の特約を除き一生涯同一の保障内容となります。
終身型を取り扱う共済は増えてきていますが、すべての共済が終身型の医療共済を扱っているわけではないため、各共済に確認するようにしてください。
- 年1回の「割戻金」がある
- 多くの共済では、毎年の支給した共済金と必要経費の実績に応じ、剰余金が出た場合に「割戻金」が支給されます。
もともと「共済」は非営利団体であるため、発生した剰余が還元される仕組みになっています。ただし、あくまでも「剰余」の還元ですから、必ず約束されているわけではなく、金額も毎年変動します。
民間の医療保険の特徴
- 民間の医療保険の「定期タイプ」と「終身タイプ」
- 民間の医療保険の多くは、タイプにかかわらず、加入時の年齢や性別により保険料が変わります。
民間の医療保険の「定期タイプ」と「終身タイプ」の大きな違いは、保険期間が一生涯続くかどうかということです。
定期型は、保険期間が一定期間または一定年齢までに定められており、満了時に自動更新するプランと、しないプランがあります。更新する際には、その時の年齢や保険料率で新たに保険料が計算されるため注意が必要です。
万一経営破たんした場合の相違
民間の生命保険会社が経営破たんした場合、「生命保険契約者保護機構」という公的な機構によって一定の契約者保護が図られます。
一方、共済が経営破たんした場合には、公的な保護はありません。
このように、「共済」も「民間の医療保険」にも、それぞれの特徴がありますので、ご自身の希望する保障や、保障を活用しようと思う年齢によってプランを選択することが大切だといえます。
- ※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
- ※掲載日は2016年4月27日です。
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