過去に病歴があっても、医療保険に入れますか?
更新日:2016年9月9日
ご安心ください。高齢化社会を反映し、既往症がある方だけでなく、治療中の方でも加入しやすい保険が増えています。
みなさんがよく目にされるのは、「誰でも月々○○円でOK」などのコマーシャルでしょうか。
また、ネットに掲載されている情報も豊富になり、ご相談者の方から「私は既往症があるので、加入条件の緩やかな『引受基準緩和型』じゃないとだめだと思います」と、申し出てこられるケースも増えました。
注意ポイントその1
「うまい話には裏がある」じゃないですが……
コマーシャルでよく目にする「誰でも保険料が一律」という保険は、以下の2つのタイプに分かれます。
- 1.保険料は年齢、性別にかかわらず一律だが、給付対象となるのは「傷害(ケガ)での入院や手術のみ」という、「傷害保険」のケース。
- 2.「病気」「ケガ」でも給付対象となる「医療保険」だが、加入時の保険料は一律でも、年齢・性別によって受け取れる給付金額が異なるケース。
「入れてラッキー」「安くて良かった」といっても、いざという時に思っていた給付金が受け取れなければ意味がありません。加入前に、給付条件をよく確認するようにしてください。
注意ポイントその2
本当に引受基準緩和型しか入れないの!?
既往症がある場合や治療中の場合、本当に保険料が一般的に高くなる『引受基準緩和型医療保険』にしか入れないのでしょうか。
病歴の種類や治療内容にもよりますが、完治している場合はもちろん治療中でも、一般的な医療保険に加入できる場合があります。
- 完治してから5年以上経過している場合
- 告知義務は、申込日(告知日)からさかのぼって5年以内の治療歴が対象です。最後の治療(経過をみる検査を含む)から5年以上経過していれば、申告は不要です(一部のプランは、5年以上経過していても申告対象になる場合がありますのでご注意ください)。
- 5年以内に治療歴があっても、保険会社が定めた、保険に加入できる範囲内の治療内容に該当する場合
- 治療内容の詳細を申告する必要はありますが、「特別条件」付(「部位不担保」や「割増保険料」など)で受け付けてくれる場合があります。この場合のメリットは、引受基準緩和型より一般的に保険料が安くなることで、デメリットは、「部位不担保」の適用期間は、一部の給付金が受け取れない場合があることです。
※部位不担保…主に医療保険に適用される条件で、契約日から一定期間または保険期間の全てにわたって、身体の特定部位などを保障の対象外(不担保)とすることを条件に契約する方法。
最初から「引受基準緩和型」を検討するのではなく、必ず保険会社や保険代理店に相談してみましょう。
注意ポイントその3
あえて引受基準緩和型の選択肢も!
「引受基準緩和型医療保険」のわかりやすいメリットは、一般的な医療保険より緩やかな健康告知で加入できることです。また、保障開始後の1年間は給付金が半額になるというのも特徴ですが、これはデメリットと受けとられがちです。
しかし、実は、この1年以内の保障はメリットでもあります。なぜなら、一般的な医療保険の「部位不担保」などが適用された場合、因果関係のあるものは不担保期間中の給付金はゼロですが、引受基準緩和型医療保険の場合は、半額になるとはいえ、既往症と因果関係の強いものでも給付対象になりえるからです。
ご自身にとって、どの選択肢がベストなのか、十分に比較しながら検討されることをおすすめします。
- ※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
- ※掲載日は2015年12月2日です。
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