「治療」のためではなく「予防」のための服薬でも、医療保険に加入する際に申告(告知)しなければならないのでしょうか?
「予防」のための服薬でも「申告(告知)」する必要があります。ただし、「薬の服用」=「保険に加入できない」という訳ではありませんのでご安心ください。
近年、若い人でも健康診断で再検査の指摘を受けている方が増えてきています。日常生活に支障はなくても、重篤な病気にならないように服薬をされている方もいらっしゃることでしょう。
そのような中で、「病気」にならないために薬を飲んでいるから「治療」ではない、というお声を耳にすることがありますが、医療保険をはじめとした生命保険では、服用の目的が「予防」のためでも、告知対象になるケースが多いので、ありのままを申告する必要があります。
保険に加入できるかどうかは、服用の原因や薬名、他の告知内容によって保険会社が総合的に判断します。「薬の服用」=「保険に加入できない」という訳ではありません。
申告する際には、保険会社所定の「告知書」の質問項目に答え、該当すれば詳細を申告することになります。細かな質問項目は保険会社ごとに異なりますが、主に下記のような項目があります。
主な告知項目
- 告知日から過去3カ月以内に受診(診察、検査、治療、投薬)した場合
- 「予防」のための薬をもらっている方なら、月1回や2カ月に1回などのペースで、定期的に通院されているケースが多いのではないでしょうか。
「ねんざ」や「ぎっくり腰」など軽微な(通院1回だけなど)ケガも対象になりますのでご注意ください。 - 告知日から過去5年以内に「7日以上の入院」や「手術」をした場合
- この場合、入院に関しては、7日以上の入院が対象になります。
- 告知日から過去5年以内に「7日間以上」の診察、検査、治療、投薬をうけた場合
- 「予防」のための投薬を受けておられる場合、多くの方がこの項目に該当すると思われます。
ここでは、「7日間以上」という基準に注意が必要です。「7日間以上」に該当するケースは下記のとおりです。- ・7日分以上の薬の処方があった場合
- 「予防」のための投薬の場合、一度の通院で1カ月分を処方されるというケースも珍しくありません。
- ・「初診」から「完治」まで7日以上かかった場合
- たとえ通院回数が2回でも、初診日と完治日(最終通院日)の間隔が7日以上あった場合は該当することになります。
また、治療終了後の経過を見るための「診察や検査のための通院」も、「完治日(最終通院日)」までの期間に含まれます。
- 告知日から過去2年以内の健康診断で「異常の指摘」を受けた場合
- 「異常の指摘」とは、一般的には「要経過観察」「要再検査」「要精密検査」「要治療」のいずれかに該当した場合です。
ただし、保険会社や加入しようとする医療保険の種類によっては、「要経過観察」の指摘は申告しなくてもよい場合がありますので、実際の告知書で確認するようにしてください。
一方で、告知しなくてもよいケースが明示されている場合もあります。一般的には下記のようなケースは告知対象にならないとされています。ただし、全ての保険会社が下記のように定めているとは限らないため、申込時に確認するようにしてください。
告知しなくてもよいケース
- 完治から5年以上経過しているもの
- 「完治」には、「治療終了後の経過を見るための診察や検査」の終了も含まれています。たとえ経過を見るための診察や検査だけでも受診するよう医師から指示されている場合には、「完治」とみなされませんので、ご注意ください。
- 医師への受診がなく、医師から処方されていない市販薬の服用 (かぜ薬・胃腸薬・頭痛薬など)
- 疾病の治療などではなく、健康増進のための行為 (市販のビタミン剤、サプリメントの服用など)
上記以外のケースは、保険会社によって基準がさまざまです。
例えば、「風邪は完治していれば告知しなくてもよい」と明記している保険会社もありますが、明記していない場合もあります。明記されていない限りは、「完治した風邪」であっても告知書の質問項目に該当すれば申告が必要です。
実際に告知する場合、下記の点に注意して申告することをおすすめします。
告知する際のポイント
- 薬を服用することになった原因を明記する
- 一般的に、医師が薬を処方する場合には、必ずカルテに原因となる「病名」(疑いも含む)が明記されます。不明な場合は病院に確認するようにしてください。
- 検査を受けている場合には、検査結果数値を具体的に記入する
- 検査結果数値は、異常の指摘を受けた項目だけでなく、関連項目(※)をセットで記入するようにしましょう。一つの項目の数値が高くても他の項目が良好であれば、そのバランスをみて査定する場合があります。
(※)肝機能の場合だと「γ-GTP]「ALT(GPT)」「AST(GOT)」「総ビリルビン値」など。 - 服用している「薬名」を具体的に記入する
- 「薬名」を具体的に記入することで、保険会社が「薬名」からリスクの高低を判断しやすくなります。
以上の点をふまえ、健康状態についてありのままを申告するようにしてください。
内容によっては医療保険への加入を断られることもあります。その場合でも、健康状態の診査基準が緩やかな医療保険もありますので、あらかじめ複数の保険会社の商品を取り扱う総合代理店で、詳しく相談されることをおすすめします。
- ※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
- ※掲載日は2016年3月7日です。
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