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医療保険・入院保険のよくあるご質問

「医療保険」と「がん保険」は保障内容が似ていますが、違いは何ですか?両方必要ですか?

更新日:2022年10月31日

「医療保険」と「がん保険」の両方に加入することをおすすめします。この二つの保険の違いは以下の通りです。

「医療保険」と「がん保険」の違い

「医療保険」は、病気やケガで治療のための入院や手術などをしたときに、給付金を受け取ることができる保険です。がんで入院や手術などの治療を受けた場合、医療保険の給付金支払いの対象になりますので、「がん」への備えとしても有効です。しかし、医療保険は、入院日数に応じた給付金支払いが基本になるため、入院日数が短期化傾向にある現状では、受け取れる給付金総額が、がん治療に十分な金額になるとは限りません。

一方、「がん保険」は、対象となる疾病が「がん」に特化されているのが特徴です。例えば、100万円単位の給付金が受け取れる保障が用意されている場合がありますが、がん以外の病気やケガについては保障されません。

がんで治療を受けた場合、「医療保険」でも「がん保険」でも給付金を受け取ることができますが、それぞれに特徴がありますので、双方を補い合うように備えることが理想だといえます。

がんの治療を受けた場合の比較

医療保険
  • がんの種類:「悪性新生物」「上皮内新生物」ともに給付金支払いの対象となる。
  • 入院、手術:治療を目的にしたものであれば給付金支払いの対象となる。
  • 通院:「通院の保障」が含まれていれば給付金支払いの対象となる。ただし、治療が目的である入院前後または退院後の通院に対し、給付金が支払われる(プランにより日数制限あり)。
  • がんと診断された場合:一般的に診断確定だけでは支払い対象となる給付金はなし。
がん保険
  • がんの種類:保障内容により、「悪性新生物」のみ給付金支払いの対象になる場合や、「上皮内新生物」も給付金支払いの対象になる場合がある。
  • 入院、手術:治療を目的にしたものであれば給付金支払いの対象となる。入院給付金は支払日数無制限の設定が多い。
  • 通院:「通院の保障」が含まれていれば給付金支払いの対象となる。ただし、治療が目的の通院でなければ保障の対象にならない。保障内容により支払日数の制限や、所定の治療に制限される場合がある。
  • がんと診断された場合:多くの場合「診断給付金」が給付される。

「医療保険」も「がん保険」も、特約を付加することで通院保障やがんと診断された場合の保障を補うことができる商品がありますので、よく確認するようにしましょう。

では、がんに備えるために、あえて優先順位をつけるとすればどうでしょう。
保険の目的のひとつは、経済的リスクに備えることです。がんになった場合、一般的な病気やケガに比べて、経済的負担が大きくなる可能性が高くなります。そのため、入退院を繰り返したり、治療が長期に渡ったり、負担する医療費が高額になったりする可能性の高い「がん」に特化した「がん保険」こそ、万一のときの備えとして優先すべきではないでしょうか。

長期に渡る治療 ~「がん治療」は入院だけではない~

以前の「がん」治療といえば、長い間入院生活を余儀なくされるイメージが強いのではないでしょうか。しかし、厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況」によると、現在がんでの1回あたりの平均入院日数は、18日程度と3週間もかかっていません。
では、なぜ、がんは「治療が長引く」といわれるのでしょうか。

その答えは、「入院・手術」以外のがん治療にあります。
がんと診断されてから、病状確認のための検査や、患部への手術が行われる時期があります。
その後、再発防止のため、抗がん剤などを利用した化学療法や放射線治療などが実施される期間があります。この期間の治療は、がんの状態によっては半年以上かかる場合もあり、入院を伴わない通院治療が増えています。
他にも、がんそのものへの治療後に、日常生活の質の向上のためリハビリに取り組む期間があります。
これらの期間の合計が「がんの治療期間」であり、それぞれに医療費負担が発生することを想定する必要があります。

健康保険適用外の治療の可能性

がんにかかわる治療の特徴のもうひとつが、健康保険などが適用されない費用が発生する可能性があることです。
がんの治療では、健康保険適用の治療で効果が薄い場合、健康保険の適用されない治療を選択するケースもありえます。

代表例として、「先進医療(※)」の「重粒子線治療」は、厚生労働省「【先進医療A】令和3年6月30日時点における先進医療に係る費用」によると自己負担額が約319万円かかることになります。先進医療以外にも健康保険適用外の治療が存在するため、健康保険適用外の治療を選択せざるを得ない可能性が、医療費の自己負担額が高額になりやすい一因といえます。
また、がんは治癒後も再発していないかを確認するための検査や診察を受診しなければならず、多くの場合、経過観察として定期的な検査を受診することになります。
(※)「先進医療」とは、厚生労働大臣が認める医療技術で、医療技術ごとに適応症(対象となる疾患・症状等)および実施する医療機関が限定されています。また、厚生労働大臣が認める医療技術・適応症・実施する医療機関は随時見直されます。

医療保険には、「がん特約」を付加できるタイプもありますので、「医療保険」と「がん保険」のどちらも加入するのか、現在加入中の保険全体を見直すのか、複数の保険会社の商品を取り扱っている総合代理店で相談してみることをおすすめします。

  • ※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
  • ※掲載日は2016年3月28日です。
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