病気でも入れる保険
生命保険商品は被保険者が死亡・高度障害状態になったときや、病気・ケガで入院や手術をしたとき、所定の介護状態になったとき等、被保険者の身体が所定の状態になったときに、保険会社から保険金・給付金が支払われます。
そのため、保険会社は申込時に被保険者の健康状態を確認し、保険金・給付金の支払いのリスクが高い人は加入を断ったり条件を付けたりして、経営の健全性を保つようにしています。
ところが、数多くある保険商品のなかには、健康状態の良し悪しを問わない生命保険商品も存在しています。
■生命保険の健康状態の告知
一般的な生命保険商品では、申込時に被保険者(保険の対象となる人)が被保険者自身の健康状態を告知しなければなりません。
- 主な告知項目
- 最近3ヵ月以内の診察・検査・治療・投薬の有無について
- 過去5年以内の手術や7日以上の入院の有無について
- 過去2年以内の健康診断・人間ドックでの指摘の有無について
- 身体の障害について
これらについて「はい」または「いいえ」で回答し、入院歴があるような場合は、入院時期や期間、病院名等の詳細についても記入する必要があります。その結果、保険に加入できなかったり条件を付けられたりする可能性もあります。
■病気でも入れる保険
健全な経営や加入者の公平性を保つためにも、保険会社にとって申込者(被保険者)の健康状態を告知させることは重要なことですが、なかには健康状態の告知が必要ない保険、つまり病気でも入れる保険もあります。
それは、一部の個人年金保険や無選択型保険といわれる保険です。
個人年金保険は、名前に保険が付いているものの機能的には積み立ての預金をしているようなものであり、わずかな保険料で大きな保険金を得られるようなこともないため、職業等の告知は必要なものの健康状態を問われない商品もあります。
無選択型保険は、名前の通り選択しない保険なので、健康状態の良し悪しで加入者を選択するようなことがありません。
その代わり保険会社にとって保険金や給付金を支払う可能性が高くなる分、加入者に支払ってもらう保険料も一般的な保険(有選択)と比べてかなり高めに設定されています。ただし、既往症の悪化等は保障の対象外です。
■無選択型保険
保険申込時の健康状態の良し悪しは保険会社が定めている基準で判断していますが、普通に健康な人であれば一般的な保険に加入できるので、無選択型の保険に加入する必要はありません。
仮に健康状態が思わしくなくても改善の見込みがあるなら、改善後に一般的な保険に加入するという選択もあります(告知の必要はありますが)。
無選択型保険は、どうしても保険が必要な方(相続対策等)に門戸を開いた保険なのかもしれません。
既往歴があるから諦める?!色んなタイプの保険が増えています
気になる引受基準緩和型/限定告知型の医療保険
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ファイナンシャルプランナー 松浦 建二
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
この記事も参考に
掲載日:2019年8月27日
■持病がある場合の保険選び
「引受基準緩和型」や「限定告知型」、「無選択型」の保険は、保険加入の基準が緩和されていたり、健康状態の告知項目が限定されていたり、または告知が不要だったりと、持病がある方でも保険に加入しやすくなっています。
一方で、保険料が通常の保険よりも割り増しされているため、注意が必要です。
しかし、持病があるからといって通常の保険を最初から諦めることはありません。
詳細な告知や医師の診断を受けることにより、例えば高血圧などの持病がある場合でも、症状や現在の健康状態によっては「特別条件付き」や「特別条件なし」で通常の保険に加入できる可能性があります。
この特別条件のなかには「特定疾病・特定部位不担保」という条件があり、この条件が付くと、特定疾病や部位による入院・手術が、一定期間保障の適用対象外となります。
特定疾病・部位や不担保期間は保険会社によって異なり、保障の対象から外れている期間中は給付金等の支払対象とはなりませんので注意が必要です。
持病がある方は、まずは通常の保険に加入できるかを保険会社へ確認したり、資料を取り寄せたりして、その上で次善策として引受基準緩和型や無選択型などの保険の加入を検討しましょう。
保険探しの優先順位
- 通常の生命保険
- 引受基準緩和型保険・限定告知型保険
- 無選択型保険(告知なしで加入できる保険)
保険に加入するときに気を付けなければならないことのひとつに、健康状態や傷病歴、職業などの事実を保険会社へありのまま伝える「告知義務」が挙げられます。
もし持病がある場合、保険の加入に制限が付くからと、持病を告知せずに保険に加入すると「告知義務違反」となり、契約解除となってしまう場合があります。
「別に伝えなくてもいいかな?」と思うような軽微な症状だったとしても、契約解除となってしまわないように、健康状態や傷病歴、持病など、ありのままの真実を告知した上で保険に加入しましょう。