既往症がある人の保険選び
最近、テレビコマーシャルで盛んに流れているのが「持病があっても入れる保険」です。
今まで保険をあきらめていた人にも加入しやすい保険があるということは朗報ですね。
しかし、一般的な保険に比べて保険料はかなり高めです。
持病があっても入れる保険は、告知する内容が通常の保険よりも緩和されているので、入院する確率が高い人でも加入できる保険なのです。
「私は既往症があるからこの種の保険しか入れない」と決めつけないで、まずは通常の保険にトライしてみてはいかがでしょうか?
既往症がある人でも、通常の保険に加入できる可能性はあります。
告知は5年以内の病歴
「過去5年以内に、病気やケガで手術を受けたことがありますか?」
「過去5年以内に、病気やケガで7日以上の入院をしたことがありますか?」
このように告知で聞かれるのは、一般的に5年以内の場合が多くなっています。
手術はたとえ日帰り手術であっても、5年以内であれば告知欄は「はい」になります。
入院は7日以上だと告知対象になるものが一般的なので、6日までの入院であれば「いいえ」になります。
入院や手術で完治する(病気が治る)ものであれば、告知に該当しても加入できる可能性があるので、詳細告知欄に完治日を記入しましょう。
また、手術で取り除く際に病理組織検査をして「良性」であった場合は、その検査結果も提出しましょう。
その他、告知では例えば「過去5年以内に7日以上にわたり医師による診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか?」というような質問があります。
7日以上とは、初診から完治までの期間を指すため例えば投薬を7日以上もらった場合もこれに該当します。
定期的に通院し検査をしたり、薬をもらっていたりという場合だけでなく、投薬はなくても「念のために年1回は検査をしている」という場合も、告知の必要はあると考えてください。
「はい」の場合は、飲んでいる薬や直近の数値等をなるべく詳しく記入しましょう。
保険加入にあたっては、保険会社によって審査基準が異なります。
ある保険会社では加入できなくても、他の保険会社では加入できるケースもあります。
また、条件付きで加入できる保険会社もあります。
- 保険金削減(一定期間中に病気で死亡した場合、保険金は削減されるがその期間が過ぎれば満額の保険金が支払われる。全期間削減される場合もある)
- 部位不担保(一定期間中はその部位の病気で入院しても給付金は出ないが、その期間を過ぎれば対象となる。全期間不担保となる場合もある)
- 割増保険料(通常の保険料に割増の特別保険料が付く)
「既往症があるから普通の保険には加入できない」「既往症があるから持病があっても入れる保険にしか入れない」とは限りません。
条件が付く場合は、その条件を承諾せずに申し込みを取り消すことができるので、まずは保険に詳しい人に加入できそうな保険がないかどうか、相談してみるとよいでしょう。
既往歴があるから諦める?!色んなタイプの保険が増えています
気になる引受基準緩和型/限定告知型の医療保険
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コラム執筆者プロフィール
羽田野 博子 (ハダノ ヒロコ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナーCFP®。
家計管理をきっかけにFP資格を取得。生協でセミナー講師や相談業務を担当する。
2005年に独立系FP会社(株)くらしと家計のサポートセンターを設立。
家計の相談役として保険の見直しや資金計画、運用計画などをお手伝い。
金銭教育のNPOマネー・スプラウト代表も兼務。
ファイナンシャルプランナー 羽田野 博子
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
掲載日:2019年9月13日
保険契約時に既往症を告知しなかった場合
既往症の告知は、多くの場合で保険契約時の義務とされています。
保険に加入するために、事実と異なる申告をしようと考える人もいるかもしれませんが、それは良い方法とはいえません。
告知義務違反が判明した場合には「契約解除」となることがあり、また違反の内容が特に重大な場合には「詐欺による契約の取消し」となることもあります。
解除や取消しになると、病気になったときの保険金は通常受け取れません。
また一般的に、契約解除の場合は解約返戻金があれば受け取れますが、詐欺による契約の取消しの場合は、解約返戻金やこれまでに支払った保険料の返金などは受け取れなくなるでしょう。
なお、既往症があったとしても、下記のような保険に加入できる可能性があります。
既往症があっても加入しやすい保険
- 引受基準緩和型/限定告知型
- 無選択型
自分自身の病歴と照らし合わせながら最適な保険を選び、既往症の告知はありのまま正確な内容で行うことが大切です。
掲載日:2020年1月17日
引受基準緩和型・限定告知型と無選択型保険の違い
例えば、既往歴があっても加入しやすい保険として、引受基準緩和型保険・限定告知型保険、無選択型保険があります。どういった違いがあるのか、詳しくみていきましょう。
引受基準緩和型保険・限定告知型保険とは、通常の医療保険と比較して、引受基準が緩和されているタイプや、告知する項目が少ないタイプの保険です。
3~5個程度の告知内容があり、1つも当てはまらなければ原則として加入できます。
通常の医療保険と比べて告知項目が限られているため、持病のある方や入院・手術の経験がある方でも加入しやすい保険です。
加入後に持病が悪化して入院した、という場合も保障されることがあるのがメリットですが、その一方で、通常の医療保険よりも加入しやすい分保険料が高めに設定されています。
また、加入から一定期間は保険金や給付金が半分になるなど減額されることがある点には注意が必要です。
次に、無選択型保険とは、診査や告知なしで加入できる保険のことをいいます。健康状態にかかわらず加入することができるのがメリットです。
この点が引受基準緩和型保険・限定告知型保険との違いであり、引受基準緩和型保険・限定告知型保険と比べてより加入しやすい保険であるといえます。
ただ、無選択型保険は告知が必要ないため、引受基準緩和型保険・限定告知型保険と比べてさらに保険料が高めに設定されている点や、加入から一定期間は保障の対象外となることがあります。
そのため、加入して保険料を払っていても、いざ必要なときに保険金や給付金を受け取れない可能性があります。
健康状態にかかわらず加入できるからといって、無選択型保険が合っているとは限らないため、死亡保障の限度額や入院給付金の日額などについては契約前にしっかり比較しましょう。
必ずしも保険に加入しなければいけないわけではなく、保険で備える代わりに、預貯金として貯蓄しておくというのも方法の1つです。
保険に加入する際には、ありのまま正確に告知する義務があります。
告知義務に違反した場合、契約が解除となるなど、いざ必要なときに保険金や給付金が受け取れないこともあります。
既往歴があっても加入しやすい引受基準緩和型・限定告知型保険や無選択型保険を検討するという選択肢もありますし、貯蓄で備えるのも1つの方法です。
引受基準緩和型・限定告知型保険や無選択型の保険についてしっかり理解し、自分自身に合った方法で備えましょう。