糖尿病でも入りやすい保険とは
「生命保険に入りたくても、持病があるから入れない」
生命保険について、このように考えている人はまだまだ多いと思います。
そして保険に入りにくいといわれている、代表的な疾病のひとつに糖尿病が挙げられます。
しかし、最近では糖尿病でも入りやすい保険が出てきていることをご存知でしょうか?
糖尿病患者の方々とお会いして
先日、ある糖尿病患者の方々とお会いする機会がありました。
また、糖尿病の中でも1型糖尿病というタイプがあります。体内のバランスを保つ内分泌ホルモンであるインスリンが欠乏している病気で、小児期に発症することが多くインスリンを投与しながら生活されています。
一般的にいわれている糖尿病は、生活習慣が原因とされる2型ですが、それに対して、1型は自己免疫の異常が原因とされています。
そのため、1型糖尿病患者は、もともと民間の保険に加入したくても既往症が原因で入れないことが多かったのです。
つまり、糖尿病以外の病気やケガによる入院・手術のお金も、医療保険で備えることは難しいという実情がありました。
糖尿病でも入りやすい保険
しかし、保険会社も新しいマーケットを開拓するために、糖尿病患者に対して門戸を広げるようになってきており、ここ数年で大手の生命保険会社から少額短期保険会社まで保険商品のラインナップが増えています。
このような保険の特長として挙げられるのが、「引受緩和型」「無選択型」です。
「引受緩和型」の保険は、加入のしやすさと保険料において、一般の保険と「無選択型保険」の間に位置付けされているといえます。
保険商品の特長
商品の違いで目に付くのは、何歳から申し込みが出来るのかというところで、たとえば低年齢で発症する1型糖尿病のほうの患者にとっては、少額短期保険で0歳から加入できる商品は魅力的に映るかもしれません。
生命保険や損害保険の商品では16歳や20歳から加入できる商品もあります。
一般的に比較しにくい部分は、保険会社によって告知が必要な項目が異なっているところでしょう。
告知の対象になる期間であったり病気であったり等、一度確認してみることをお勧めします。
少額短期保険の商品の中には、糖尿病患者のための開発されたようなものもあります。
聞き慣れない少額短期保険ですが、保険業法の改正に伴い誕生した新しい区分の保険会社です。
一般的に保険金は1,000万円以下で保障は1年更新型が多いのが特長です。
その分、従来の保険会社や損害保険会社などが手掛けてこなかったユニークな保険商品が続々と販売されています。
その意味では、消費者の選択肢が広くなったといえるでしょう。
ただ、保険会社側から見ると、糖尿病の患者は一般的に保険金・給付金の支払いが増えるリスクが高いとみなされます。
そのため、保険料は一般の保険に比べて割高になります。
また、保険金の支払いが削減される期間があったり、保障開始前に入院や手術をすすめられていた場合には支払われない等、細かな条件や制限がついていることもあるので注意が必要です。
保険は、ただ加入しておけば安心というものではありません。
支払う保険料と受けられる保障がどの程度見合っているのか?
加入できそうだという喜びが先行してしまい、後で不満に思うことのないように、保障の仕組みを十分に理解した上で判断していただきたいと思います。
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コラム執筆者プロフィール
山下 修一 (ヤマシタ シュウイチ) マイアドバイザー.jp®登録 - 16年間のサラリーマン生活で業界再編での合併やリストラを何度も目の当たりにして厳しい現実を経験。日本経済の先行きからライフプランとお金の知識が必要になる時代を予感し2004年にファイナンシャルプランナーへ転身(大阪市内でFP事務所開業)。
「生活設計のナビゲーター」として、個人のライフプラン相談を中心に活動中。
ファイナンシャルプランナー 山下 修一
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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掲載日:2019年8月29日
糖尿病でも加入できる保険の条件や制限
保険加入の基準が緩和されている「引受基準緩和型」や健康状態の告知項目が限定されている「限定告知型」、告知が不要な「無選択型」の保険は、糖尿病などの持病がある方でも保険に加入しやすいというメリットがあります。
一方で、それぞれに通常の保険にはない制限や保険料の割り増しなどがあることがほとんどですので、保障内容には注意が必要です。
そのため、糖尿病などの持病がある方は、まずは通常の保険に加入できるかを保険会社へ確認しましょう。
次に、無選択型より比較的保険料が安くなることが多い引受基準緩和型や限定告知型の保険を検討し、最後に無選択型の保険の加入を検討することをおすすめします。
持病がある方でも加入できる保険の制限などの注意事項
引受基準緩和型・ 限定告知型保険 |
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無選択型保険 |
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掲載日:2020年1月7日
糖尿病でも加入できる少額短期保険のメリットと注意点
少額短期保険のメリット
これまでの生命保険会社や損害保険会社で、加入することのできなかったような保険も多くそろっているのが、少額短期保険の特長です。
例えば、ペット保険・自転車保険・家財保険・弁護士費用保険・介護保険などで、「こんな保険が欲しかった」と思うような保障内容の保険が多く販売されています。
なかには、スマートフォンの故障を補償する保険なども販売されており、安価な保険料で気軽に備えることができるのが少額短期保険のメリットです。
そんな少額短期保険には、糖尿病などの持病があっても加入できるものがあります。
持病のある方でも、簡単な事項に当てはまらなければ加入することができる点も、糖尿病の方にとっては大きなメリットだといえます。
少額短期保険の注意点
一方で、保険金額が少額である点には注意が必要です。
保険料が安かったとしても、医療保険の場合、受け取れる保険金は最大で80万円のため、希望とする保険金額を満たさないかもしれません。
また、生命保険の保険期間の上限は1年と短いため更新が必要となり、年齢が上がるにつれて保険料が高くなります。
そのため、契約する前に保険料と保障内容についてしっかり検討することが大切です。
また、通常の保険なら、支払った保険料に応じて生命保険料控除を受けることができますが、少額短期保険で支払った保険料は、生命保険料控除の対象外となる点にも注意をしましょう。
少額短期保険は、通常の保険に加入できることが少ない糖尿病の方でも加入できる可能性が高く、加入していて助かる場合もあります。
メリットだけではなく注意点についても理解した上で、通常の保険に加入することはできないのか、保険料に保障額が見合っているのか、よく検討しましょう。
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