健康に不安があっても加入できる?
医療保険は取り扱う保険会社が多く、保障内容も実に多くの種類が存在しています。中には健康に不安があっても加入できるという保険もあります。引受緩和(緩和告知)型や無選択(無告知)型と呼ばれている保険ですが、どのような保険なのでしょうか?
引受緩和型と無選択型の社会的な意義
保険とは、大勢の人がお金(保険料)を出し合い、もしものときにお金で困った人を助ける、助け合い運動(相互扶助)のような性質を持っています。そして保険会社は、保険に加入した人が公平であるように、リスクに応じて細かい保険料の設定をしたり、健康状態がおもわしくない人には加入時に条件を付けて断ったりしています。ところが、健康状態がおもわしくない人ほど、医療保険に加入したい気持ちは強いものです。そこで、一部の保険会社では、保険料を上げる代わりに引受基準を緩和したり無選択にして、健康に不安があって今まで加入できなかった人の需要にも応えるようにしています。
引受緩和型の特徴
通常の医療保険よりも加入時に必要な健康状態の告知項目を減らして、健康に若干の不安がある人でも加入できるようにしています。
現在入院中である? |
最近3ヶ月以内に医師による診査・検査で入院や手術をすすめられたことがある? |
過去2年以内に病気やケガで入院や手術をしたことがある? |
過去5年以内にがんや肝硬変等で診察・検査・治療・投薬をしたことがある? |
資料)著者作成
※質問に対して全て「いいえ」なら申し込みができる
引受緩和型の医療保険では、契約日から1年以内に給付金の支払事由に該当した場合は、入院給付金や手術給付金が半分しか受け取れない設定になっていることが多く、保険料も通常の医療保険と比べて若干割高になっています。
無選択型の特徴
健康状態の告知を必要としないので、健康状態を理由に加入を断られるようなことはありません。病気やケガで入院・手術をしたときに給付金を受け取れるのは通常の医療保険と同じですが、保障内容に下記のような制限が設けられています。
- 保障開始期にがん保険のような90日間の免責があり、その間に発症した病気については保障の対象にならない。
- 保障対象となる病気やケガは、契約以前に発症していたり治療を受けていたりする場合は除かれる。
- 加入できる年齢や保障してくれる期間に制約がある。
- 1入院の保障限度日数や通算での保障限度日数が、通常の医療保険よりも短い。
無選択型の医療保険は、保険会社にとって引受緩和型よりもさらにリスクが高いと考えられるため、保険料もそのリスクに見合った設定になっています。
健康改善や貯蓄での備えも考えられる
引受緩和型や無選択型の保険は、保険料が割高でも保険に加入することで安心感を得たい人にとっては、検討してみる価値は十分にある保険です。ただ、現在健康状態に不安があっても改善が可能なら、改善してから通常の医療保険へ加入する方が良いかも知れません。健康状態の改善見込みがない人は、入院や手術をしたときの備えを何が何でも医療保険に頼るのではなく、貯蓄で対応するということも考えられます。月々の保険料相当分を積み立てていくだけでも、長く続けていけば相当まとまった額になるはずです。
※引受緩和(緩和告知)型も無選択(無告知)型も、保障内容や給付金の支払要件等が通常の医療保険とは異なります。また、保険会社ごとに商品内容も異なりますので、詳しくは保険会社等へ確認してください。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 松浦 建二
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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