三大疾病保障保険の特長
宣伝されることが多くないためか、あまり聞くことがない三大疾病保障保険(特定疾病保障保険)ですが、業界内での評価は意外と高いようです。
がんと急性心筋梗塞と脳卒中への保障に重点をおいた、三大疾病保障保険の特長についてまとめてみました。
保険金の支払事由
三大疾病保障保険は、「悪性新生物(がん)」や「急性心筋梗塞」「脳卒中」により、保険会社が定める状態に該当したときに保険金を受け取れ、死亡・高度障害になったときは死亡・高度障害保険金を受け取れます。
死亡・高度障害保険金と三大疾病保険金を重複して受け取ることはできません。保険会社が定める状態とは、下記のようになっています。
対象となる疾病等 | 保険会社の定める被保険者の状態(支払事由) |
---|---|
悪性新生物 (がん) |
責任開始期以後、保険期間中に初めて悪性新生物(がん)に罹患したと医師により診断確定されたとき |
急性心筋梗塞 | 責任開始期以後、急性心筋梗塞を発病し、その疾病について初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断されたとき |
脳卒中 | 責任開始期以後、脳卒中を発病し、その疾病について初めて医師の診察を受けた日を含めて60日以上、言語障害や運動失調、麻痺等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されたとき |
資料:著者作成
支払事由の注意点
急性心筋梗塞と脳卒中の場合は、発病しただけでは支払事由に該当せず、60日以上働けない状態の継続が必要になります。
がん以外は条件が厳しかったこともあり、最近は下記のような支払事由の保険も登場してきています。
対象となる疾病等 | 保険会社の定める被保険者の状態(支払事由) |
---|---|
悪性新生物 (がん) |
責任開始期以後、保険期間中に初めて悪性新生物(がん)に罹患したと医師により診断確定されたとき |
急性心筋梗塞 | 責任開始期以後、急性心筋梗塞を発病し、次の①または②に該当したとき ① その疾病について初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断されたとき ② 急性心筋梗塞の治療のための手術を受けたとき |
脳卒中 | 責任開始期以後、脳卒中を発病し、次の①または②に該当したとき ① その疾病について初めて医師の診察を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害や運動失調、麻痺などの他覚的な神経学的後遺症が継続したと医師によって診断されたとき ② 脳卒中の治療のための手術を受けたとき |
資料:著者作成
三大疾病保障保険は必要か?
保障の範囲としては、医療保険はほとんどの病気やケガ、がん保険はがんのみなので、三大疾病保障保険はその中間に位置しているといえます。
三大疾病保障保険は百万円単位の保険金を一時金で受け取れることから、がん保険の代替として、または、医療保険やがん保険にプラスして備えておくと良さそうな保険です。
医療保険やがん保険と同様に被保険者自身が保険金(給付金)を受け取って、治療費やその後の生活費等に充当していくことができるので、特に自分のために備えたい人向きの保険といえます。
※三大疾病保障保険の保障内容等の詳細については、取り扱いをしている保険会社に確認してください。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 松浦 建二
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
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掲載日:2020年2月14日
三大疾病にかかる確率とリスク
一般的に「悪性新生物(がん)」「急性心筋梗塞」「脳卒中」は「三大疾病」と呼ばれ、いずれもよく耳にする傷病名ですが、実際の患者数はどれくらいかご存じでしょうか。
入院患者数が多い主な傷病
(単位:千人)
入院(総数) | 外来(総数) | |
---|---|---|
統合失調症、統合失調症型障害 および妄想性障害 |
153.5 | 62.7 |
脳血管疾患 | 146.0 | 85.9 |
悪性新生物(がん) | 126.1 | 183.6 |
骨折 | 97.4 | 98.6 |
心疾患(高血圧性のものを除く) | 64.0 | 134.2 |
アルツハイマー病 | 49.3 | 46.7 |
資料:厚生労働省「平成29年(2017)患者調査の概況」をもとに作成
入院患者数の多い主な傷病名のなかに、三大疾病の傷病名も含まれていることから、三大疾病に罹患する確率が高いことが分かります。
死因別の順位においては、厚生労働省「平成30年(2018)人口動態統計(確定数)の概況」によると、第1位「悪性新生物(がん)27.4%」、第2位「心疾患15.3%」、第3位「老衰8.0%」、第4位「脳血管疾患7.9%」となっており、三大疾病は死因の原因で、全死因の約半分の割合を占めています。
また、死因として多い悪性新生物(がん)ですが、国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」によると、生涯で悪性新生物(がん)に罹患する確率は、2014年時点で男性62%、女性47%と、二人に一人は罹患するという確率もでています。
もし、世帯収入の中心の方が三大疾病にかかった場合、治療費の負担だけではなく、働くことができない間は、収入の減少などのリスクが予想できるため、その間の生活費のことも事前に考えておく必要があります。
治療費の負担を軽減するために、現在加入している保険や特約の見直し、三大疾病の保障が手厚い保険商品への加入を検討することも、リスクに備えるための選択肢の一つです。
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