30歳代の週末ドライバー 特約についての考え方（1）

掲載日：2014年6月12日

はじめに

今回のコラムは、前回に引き続き、30歳代の週末ドライバーが自動車保険を選ぶにあたって注目するポイントについてみていきます。

前回までは、自動車保険のベースとなります「対人賠償保険」「対物賠償保険」「人身傷害補償保険」「車両保険」等についてみてきました。今回は、各種の特約についてみていきます。

各種の「特約」について

特約は、保険契約の内容によって必ず付帯される特約（自動セット）と、ドライバーの希望により付帯することができる「オプション」に大別されます。

自動セットの特約の代表的なものとして、「人身傷害補償保険」にセットされる「人身交通乗用具危険特約」があります。この特約は「人身傷害補償保険」に加入すると、契約自動車以外（電車・自動車・航空機・船舶・エレベータ等）の事故も補償の対象になります。

オプションの特約は、多くの場合、別途特約保険料がかかります。また、「対人賠償保険」「対物賠償保険」「人身傷害補償保険」「車両保険」等の、ベースになる補償保険を契約していないと付帯することができません。付けておきたい特約がある場合は、そのベースとなる補償保険を必ず確認しましょう。

今回のコラムでは、「対人賠償保険」「対物賠償保険」「人身傷害補償保険」に付けることができる特約についてみていきます。

ドライバー別にみる、各種特約についての検討ポイント

下の表は、前回のコラムで使用した<表2>になります。

以下、各種特約の内容とドライバータイプ別にみた、特約を付帯するかどうかの判断ポイントを、ベースとなる補償保険ごとに考えていきます。

「対人賠償保険」は、自動車保険の中心になる補償です。この保険に関しては、特約がありません。1回目のコラムで書きましたように、保険金の金額を設定するか、無制限とするかの選択のみになります。

「対物賠償保険」には、保険会社によって「対物全損時修理差額費用特約」等の名称で、相手の自動車の修理費が時価額を超えた部分を支払う特約（オプション）があります。

ただし、時価額の差額部分に対して、過失割合を計算した額を限度として支払う内容になっていて、50万円が上限となっています。

「人身傷害補償保険」に付帯することができる特約（オプション）としては、「搭乗者傷害特約（部位・症状別定額払）」があります。この特約は、「人身傷害補償保険」が実損払いなのに対し、ケガの部位や症状に応じて決められた額（定額）の保険金を払う仕組みになっています。また、重い後遺障害のための「介護支援保険金」や、19歳未満の子ども（被扶養者）がいる場合に「子育て支援保険金」を支払う特約を用意している保険会社もあります。

「搭乗者傷害特約（部位・症状別定額払）」や、「介護支援保険金」が支払われる特約は、走行距離と事故率の関連で考えると、タイプA、D の方が付帯を検討する必要性が高いと思います。

また、「子育て支援保険金」が支払われる特約は、年間走行距離で考えた場合、特にタイプFの方が検討する必要性が高いと思います。こちらも、生命保険等で既に保障されているか確認することから始めて、付帯するかどうかを検討しましょう。

逆に、人身傷害補償保険の補償の範囲を「契約者搭乗中の事故に限定」する特約によって、保険料を安く抑える選択肢を用意している保険会社もあります。

ドライバータイプ別にかかわらず、既に加入している生命保険や傷害保険等で「搭乗中以外の交通事故等に対しての補償」がどのようになっているかを確認した上で、この特約を付帯するかどうかを考えましょう。

最後に

ドライバー（契約者）と同乗者を補償する「人身傷害補償保険」は、ベースになる保険の補償範囲と特約による補償範囲の切り分けが、保険会社により異なります。

特約の名称も保険会社により異なりますので、各保険会社のパンフレットや約款等で補償概要を確認するようにしましょう。

また、自動車保険は、1年ごとの更新になります。家族構成が変わった時のタイミングで、特約関係も見直すようにしていきましょう。

次回は、「車両保険」に付帯できる特約やファミリーバイク特約等の、その他の特約についてみていきます。