自動車保険の保険料について ~支払方法~
クレジットカード払いなら、大半が分割払いも可能
自動車保険の保険料は、1年分を一括で支払うのが基本ではありますが、年間の保険料を一括で支払うのは厳しいという家計のニーズに応えるべく、以前より多くの損害保険会社で保険料の分割払いに対応しています。ただし、対応の仕方が保険会社ごとに異なる場合があります。
大手の損害保険会社などでは、保険会社が直接分割払いによる保険料の支払いを受け付けている場合もありますが、中小の損害保険会社や、インターネット経由での申し込みが中心のネット系損害保険会社では、分割払いによる保険料の支払いを受け付ける仕組みそのものがなく、クレジットカードで申し込むことによって、クレジットカード会社の分割の仕組みを使っている場合もあります。
例えば、ある大手損保会社の場合で、WEB上のモデルプランを載せている部分を見ると、
40代男性・既婚「年間保険料○○円(月払いの場合:○○円/月)」
といったように、もともと月払いで契約する人が多いことを想定し、月払いにした場合の保険料も載せています。
一方、あるネット系損保会社では、割引の対象となるインターネット経由での申し込みの場合、保険料の分割払いは対応していないのですが、クレジットカードによる決済が可能になっているので、クレジットカードでの支払回数を12回にすれば、保険料を月払いにしたのと同じ効果が得られることになります。
また、同じネット系損保会社でも、保険会社独自の分割払いによる保険料の支払いを受け付けているところもあります。初回に3カ月分の保険料を支払って、残りを9回に分けて毎月支払う変則的な10回払いを受け付けている保険会社だと、毎回の支払いは銀行口座からの引き落としになるので、クレジットカードは必要ありません。その他、初回に2カ月分を支払う11回払いを受け付けている保険会社では、クレジットカードによる支払いとなっています。
手数料や金利を考慮すると1回で支払うべき
自動車保険の保険料を分割払いにした場合、当然ながら、分割手数料や分割金利などの費用負担が発生することになります。保険料の総支払額で比較すれば、明らかに1回払いのほうが支払金額は少なく済むことがわかるはずです。
分割手数料や分割金利の計算方法は、分割払いを受け付ける損害保険会社や、分割払いが可能なクレジットカード会社ごとに異なりますが、分割手数料や分割金利を年率に換算すると、5%前後から15%前後となっているのが一般的です。細かな手数料や金利の数値で比較する必要はないと思いますが、自分の希望する契約内容を決めて、複数の損害保険会社に保険料の見積りを請求し、比較検討することが重要でしょう。
分割回数を年12回などに細かく分割したほうが毎回の支払いは楽に感じるかもしれませんが、トータルの支払額でみた保険料負担は確実に重くなります。家計運営として理想的なのは、毎年の自動車関連の費用として、自動車税や自動車保険料は、きちんと年1回、一括で支払えるように準備しておくことです。当然ながら、2年に1回やってくる車検費用なども同様です。クレジットカードの機能を使えば、自分の好きな分割回数で支払うことができるというのは、非常に便利な仕組みではありますが、その分、家計におけるトータルの費用負担が重くなってしまうことを十分に認識し、安易にクレジットカードによる分割払いを使わないように気を付けましょう(その他の買い物時に使えるリボルビング払いなども、安易な利用は注意が必要です)。もし分割払いを使うのなら、2回払いのように、手数料や金利のかからない分割回数に抑えておくのが無難です。
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コラム執筆者プロフィール
菱田 雅生 (ヒシダ マサオ) マイアドバイザー.jp®登録 - 早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社を経て独立系ファイナンシャルプランナーに。平成20年、ライフアセットコンサルティング株式会社を設立。
資産運用や住宅ローンなどを中心に、相談業務や原稿執筆、セミナー講師等に従事している。
ファイナンシャルプランナー 菱田 雅生
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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