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2020.05.01

カラ期間で年金を受給できる

老齢基礎年金を受給するために必要な受給資格期間は、保険料を納めた期間、保険料を免除された期間、カラ期間を合わせて10年の公的年金への加入期間が必要です。

過去に海外に居住したり、会社員または公務員の方と結婚したりして公的年金制度に加入していなかった期間なども受給資格期間に含めることができる場合があります。

ここでは、受給資格期間とみなすことができるカラ期間についてお伝えします。

カラ期間とは?

前述のように、老齢基礎年金を受給するためには受給資格期間が10年間必要です。

この受給資格期間に含むことができるけれど、年金額には反映されない「合算対象期間」があります。

その期間を「カラ期間」ともいいます。

公的年金の保険料を納付した期間や、保険料納付を免除された期間を合算して10年に満たない場合でも、カラ期間がある場合は老齢基礎年金を受給できる可能性があります。

主なカラ期間は次のとおりです。
(1)1961年4月以降海外に住んでいた期間
(2)1991年3月以前に学生であって、国民年金に任意加入しなかった期間
(3)1986年3月以前に国民年金に任意加入できるのに任意加入しなかった期間

この他に、任意加入をしたものの保険料が未納になっている期間などもあります。

これらのカラ期間を受給資格期間に含めることができるため、公的年金が受給できる可能性があります(いずれも20歳以上60歳未満の期間)。

図 受給資格期間の例

資料:日本年金機構ホームページをもとに執筆者作成

カラ期間の確認方法

カラ期間は、「ねんきん定期便」でも確認することができます。

ねんきん定期便には、カラ期間にあたる合算対象期間の記載欄があり、国民年金の任意加入期間のうち保険料が未納となっている期間(任意加入未納期間)の月数が表示されています。

この期間はあくまで参考ですので、詳しくは、お近くの年金事務所へご相談ください。

相談の際、カラ期間を含めて資格期間が受給に必要な10年を満たす場合は、カラ期間を確認するために必要な書類(戸籍謄本等)の提出を求められる場合があります。

また、老齢年金を請求するときには書類による確認が必要となります。

老齢基礎年金は10年間の受給資格期間があると受給できますが、1日でも不足していると受給できません。

老齢年金を請求するときになってから、受給資格期間が不足しているということにならないよう、早めに受給資格期間の確認をするようにしましょう。

カラ期間があった場合の手続き

ご自身の未納期間にカラ期間があることが確認できた場合は、最寄りの年金事務所にて相談し、手続きを行って下さい。

前述の「主なカラ期間」を証明する書類は以下のとおりです。

表 カラ期間証明のための書類

海外居住期間

次のいずれか

  • 戸籍の附票(※)
  • パスポートの写し
  • 滞在国発行の居住証明書
  • 滞在国の日本領事館発行の在留証明書
1991年3月以前に学生 在籍証明書等
1986年3月以前に国民年金に任意加入しなかった専業主婦や専業主夫
  • 配偶者の年金手帳、または、年金証書
  • 戸籍謄本
  • 配偶者の共済期間加入確認通知書(該当者のみ)

※ 戸籍の附票とは、本籍地の市区町村において戸籍の原本と一緒に保管している書類で、その戸籍が作られてから(またはその戸籍に入籍されてから)現在に至るまで(またはその戸籍から除籍されるまで)の住所が記録されています。

資料:厚生労働省ホームページをもとに執筆者作成

また、学生時期のカラ期間のように、支払いの免除や猶予となっているものは、なるべく追納することをおすすめします。

ただし、追納ができるのは追納が承認された月の前10年以内の免除等期間に限られています。

なお、原則古い期間から納付することになりますが、保険料の免除もしくは納付猶予を受けた期間の翌年度から起算して、3年度目以降に保険料を追納する場合、承認を受けたときの保険料額に経過期間に応じた加算額が上乗せされますので、早目に追納した方が良いでしょう。

カラ期間が生じている方で年金額を増やしたい場合は、60歳から65歳の期間に任意加入制度を利用して、年金保険料の不足分をできるだけ納付しましょう。

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小山 智子の写真
執筆者 小山 智子 コヤマ トモコ
宅地建物取引士/AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士
専業主婦時代に、夫の借金を1,000万円肩代わりする。離婚後「お金を守る知識」の重要性を痛感。現在は、シングルマザーと独身女性の相談業務とマネー講座を中心に活動中。著書「誰にも頼れない女のお金の守り方」(秀和システム)。
鎌倉ウーマンライフプランニングオフィス 代表
  • ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
  • ※ 掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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