2020.03.11
第3号被保険者とはどんな仕組み?
国民年金の第3号被保険者は、ご自身で保険料を納付する必要がありません。
では、第3号被保険者とはどんな仕組みなのでしょうか。
ここでは、第3号被保険者へ加入するときと、第3号被保険者でなくなるときの要件や届出についてお伝えします。
第3号被保険者とは
日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方は、国民年金の被保険者となります。
20歳になると国民年金の加入手続きが必要で、国民年金の加入者は第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の3種類に分けられます。
第1号被保険者は自営業者や農業者とその家族、学生、無職の方などが対象で、第2号被保険者は民間会社員や公務員など厚生年金、共済組合の加入者が対象です。
第3号被保険者は国民年金の加入者のうち、厚生年金、共済組合に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の主婦や主夫が対象となります。
国民年金の保険料の納付義務
国民年金の被保険者は法律上納付義務があります。
第1号被保険者の保険料は、本人または保険料連帯納付義務者である世帯主・配偶者のどちらかが連帯して納付する義務があります。
第2号被保険者は、加入する厚生年金や共済組合の制度からまとめて国民年金に拠出金が支払われますので、厚生年金や共済組合の保険料以外に保険料を負担する必要はありません。
一方、第3号被保険者は、ご自身で保険料を納付する必要がありません。
これは、配偶者である厚生年金や共済組合などに加入する第2号被保険者の年金制度の保険者が集めた保険料などの一部を基礎年金拠出金として毎年度負担しているためです。
そのため、国民年金第3号被保険者である期間は、ご自身で保険料を納付する必要はなく保険料納付済期間として将来の年金額に反映されます。
国民年金の保険料の納付義務
※スクロールで表がスライドします。
資料:執筆者作成
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第3号被保険者の届出義務
専業主婦や専業主夫が国民年金の第3号被保険者になったときやその資格を失ったときには、どのような手続きが必要なのか見てみましょう。
(1)第3号被保険者になったときの届出
第2号被保険者である配偶者に扶養されることになった場合には第3号被保険者になりますので、配偶者の勤務先に第3号被保険者に該当する旨の届出をします。
また、第2号被保険者と内縁関係にある場合、内縁関係を確認するための書類を提出することで第3号被保険者になります。
第3号被保険者の届け出を忘れていた方はこちらの記事も参考に
(2)第3号被保険者でなくなったときの届出
以下のような理由により、第2号被保険者の扶養から外れたときは届出が必要です。
- 第2号被保険者である配偶者が、死亡、退職などにより厚生年金等の加入者でなくなった場合
第2号被保険者だった配偶者が亡くなった場合、それまで第3号被保険者だった専業主婦(主夫)の方は、第1号被保険者に変わります。
また、第2号被保険者だった配偶者が会社を退職した場合、第3号被保険者だった専業主婦(主夫)の方は、第1号被保険者に変わります。
- 第2号被保険者である配偶者が65歳に到達(誕生日の前日)した場合
第2号被保険者である配偶者が65歳に達した時点で、第3号被保険者だった専業主婦(主夫)の方は、第1号被保険者に変わります。
第1号被保険者に変わった後は、60歳になるまで毎月国民年金保険料の納付義務があります。
- 第3号被保険者本人の年収が130万円以上になる場合
第3号被保険者が、全く働いてはいけないわけではありません。原則、年間収入が130万円未満であることが要件となっており、130万円を超えると扶養から外れ、勤務先によって第1号被保険者か第2号被保険者となります。
また、配偶者は勤務先に被扶養配偶者でなくなったことを届け出る必要があります。
- 配偶者と離婚した場合
離婚した場合、第3号被保険者だった方が直ちに正社員として就職した場合、厚生年金に加入することとなり、新たな勤務先の手続きにより第2号被保険者に変わります。
なお、無職またはパートタイマーやアルバイトなどで厚生年金に加入できない場合は第1号被保険者となります。
この場合も、離婚時に、元配偶者は被扶養配偶者でなくなったことを勤務先に届け出る必要があります。
第3号被保険者でなくなったときに、第1号被保険者に変わる場合は、必ずお住まいの年金事務所の窓口へ第1号被保険者への「種別変更届」を提出しましょう。
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