生命保険の種類(前編)~代表的な3種類~
どんな種類の生命保険を選んだらよいか分からないと、お悩みではありませんか?
世の中にはたくさんの保険会社があり、たくさんの種類の保険商品があります。どんな種類の生命保険を選んだらよいか分からない、保険会社の外交員からすすめられるままに加入してしまい、自分がどのような保険に加入しているかも、果たして自分に合った保険なのかどうかも分からないとお悩みではありませんか?
生命保険は、万一の時のために備えるものですので、万一の時に役に立たないのでは、無駄な保険料を払っていることになりますよね。それでは、どのように選択したらよいのでしょうか?
自分に合った生命保険を選ぶためには、「知ること」が大切です。
代表的な3種類の生命保険には、「定期保険」「終身保険」「養老保険」があります。保険料の違いは、同じ保障額だとした場合、定期保険が一番安価で、養老保険が一番高くなります。
支払保険料の比較:定期保険 < 終身保険 < 養老保険
支払保険料が違うということは、保険の役割も違います。今回は、定期保険をみていくことにしましょう。
《 定期保険 》
定期保険とは、契約した一定期間のみ、死亡時・高度障害時に保険金が支払われるという掛け捨てタイプの保険となります。満期時の満期保険金が無い代わりに、支払保険料が安価となっています。
なお、定期保険には3タイプあり、契約時から満期時まで保障額が変わらない「平準定期保険」、加入後に段階的に保障額が減る「逓減定期保険」、加入後に段階的に保障額が増える「逓増定期保険」があります。
一般的には、平準定期保険と逓減定期保険を利用されるケースが多いです。逓増定期保険は、途中で解約した場合の解約返戻金を活かして、経営者等の退職金の準備として活用されることが多い保険です。
3種類の保険の仕組み図は以下の通りです。
図1 平準定期保険の仕組み
資料:執筆者作成
図2 逓減定期保険の仕組み
資料:執筆者作成
図3 逓増定期保険の仕組み
資料:執筆者作成
平準定期保険と逓減定期保険は、必要な期間、一家の稼ぎ手に万一のことがあった時、残された家族が路頭に迷わないように生活費の準備として利用する保険です。必要な期間というのは、例えば子どもが大学を卒業するまでの期間等、最もお金が必要な時という考え方でよいでしょう。共稼ぎで家計を支えている家庭も多いですので、どちらかに万一のことがあると、家計が維持できないのであれば、二人とも定期保険が必要ということになります。
では、平準定期保険と逓減定期保険は、どちらを選んだらよいのでしょうか?それは、一概にどちらがよいと言うことができません。図1と図2を比較してみると、保障の面積が違うことが分かります(黄緑色)。面積の少ない逓減定期保険の方が保険料を抑えることができます。子どもが大きくなるにつれ必要なお金が減っていくわけですから、保障が徐々に減っていく逓減定期保険は、保障と保険料の両面で効率がよいように思えます。しかし、逓減定期保険に限らず、平準定期保険でも、特にお子さまがいらっしゃる家庭では、保障期間や保険金額の設定には注意が必要です。
なぜお子さまのいる家庭で保障期間や保険金額の設定に注意が必要なのかというと、これには、実は社会保障制度が関係します。家計を支えていた人が死亡した場合、遺族基礎年金や遺族厚生年金の対象者は遺族年金を支給されますが、このうち遺族基礎年金は子どもが18歳になると支給が打ち切られるということが影響します。遺族年金のみ受給予定の方で、子どもが大学進学を予定している場合は、そのことを考慮して計画を立てましょう。
つまり、定期保険を選択する場合は、時系列で必要な資金を試算してから選ぶことをおすすめします。
【定期保険のポイント!】
- (1)支払保険料が安価
- (2)満期保険金がない(掛け捨てタイプ)
- (3)役割は万一の場合の必要保障額への備え
次回「生命保険の種類(中編)~代表的な3種類~」にて、「終身保険」と「養老保険」について、お伝えします。
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コラム執筆者プロフィール
伊藤 美恵 (イトウ ミエ) マイアドバイザー.jp®登録 - 元証券会社窓口、生命保険会社、企業の経理担当等を経て、独立開業。
現在は、相談業務を中心に、セミナー講師、執筆、企業の福利厚生員として活動。
専門分野は、生命保険・教育資金・住宅ローン・資産運用等、トータル的に家計の見直しをし、老後を視野に入れたプランニング。
ファイナンシャルプランナー 伊藤 美恵
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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