2020.01.21
遺族年金の手続きはどうしたら良い?
遺族年金は、国民年金・厚生年金の被保険者または被保険者であった方が亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族に支給される年金です。
家族に万一のことがあったとき、手続きをどうすれば良いかがすぐに思い浮かばない方は少なくないでしょう。
今回は、会社員・公務員の方が亡くなった場合、遺族年金の手続きはどうしたら良いかをお伝えします。
遺族年金を請求するときの流れ
遺族年金を請求するときの流れは、図1のようになります。
それぞれを詳しく確認しましょう。
年金請求書を取得し、記入する
「年金請求書」は、亡くなった方や遺族年金を請求する方の情報、亡くなった方の公的年金制度の加入経過などを記入する用紙です。
お近くの年金事務所および街角の年金相談センターの窓口に備え付けてあるほか、日本年金機構のホームページからダウンロードもできます。
年金請求書に添付する書類を用意する
遺族年金を受給するには、受給要件を満たしていなければなりません。
会社員・公務員の方の遺族が遺族厚生年金を受給する場合、受給要件を満たしていることを証するため、年金請求書とともに添付書類を提出します。
(1)必ず必要になる書類など
必ず必要になる書類などは、下記の通りです。
図2 遺族厚生年金の請求に必ず必要になる書類などのリスト
- 年金手帳
- 戸籍謄本(受給権発生日以降で提出日から6カ月以内に交付されたもの)
- 世帯全員の住民票の写し
- 死亡者の住民票の除票(世帯全員の住民票の写しに含まれている場合は不要)
- 請求者の収入が確認できる書類(所得証明書、課税証明書または非課税証明書、源泉徴収票など)
- 子の収入が確認できる書類(義務教育終了前は不要、高等学校等在学中の場合は在学証明書または学生証など)
- 市区町村長に提出した死亡診断書のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
- 請求者(遺族)名義の受取先金融機関の通帳など
- 印鑑
資料:日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」をもとに執筆者作成
(2)死亡の原因が第三者行為の場合に必要な追加書類
交通事故など、第三者の行為が原因で亡くなった場合は、さらに必要な書類があります。
図3 死亡の原因が第三者行為の場合に必要な追加書類のリスト
- 第三者行為事故状況届
- 交通事故証明または事故が確認できる書類(事故内容が分かる新聞の写しなど)
- 確認書
- 被害者に被扶養者がいる場合、扶養していたことが分かる書類(源泉徴収票、健康保険証の写し、学生証の写しなど)
- 損害賠償金の算定書(すでに損害賠償金が決定済みの場合)
資料:日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」をもとに執筆者作成
(3)状況によって必要な書類
例えば、請求する遺族が他の公的年金から年金を受給しているときは「年金証書」など、状況によって提出が必要な書類もあります。
迷ったときは、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターに問い合わせましょう。
書類を提出する
遺族厚生年金の年金請求書および添付書類は、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターに提出します。
書類提出後、2カ月以内に「年金証書」などがご自宅へ届き、さらにその約1~2カ月後に年金の振り込みが始まります。年金請求時に指定した口座へ、偶数月に2カ月分が振り込まれます。
なお、遺族年金を受給する権利には、基本的に「権利が発生してから5年経過すると消滅する」という時効があります。
被保険者が亡くなって5年以上経ってから年金を請求した場合、5年より前の支払い分の年金が受給できない可能性がありますので、早めに手続きをするようにしましょう。
遺族年金の手続き代行の依頼
遺族年金の手続きは、必要な書類の把握や書類の取得・記入など、処理しなければならないことが多数あります。
また、必要な書類を取得するために、平日に年金事務所などを訪れる必要がある場合も考えられるため、働いている方には時間的に難しいという状況も発生するでしょう。
どうしても自分ではできないという方は、遺族年金の手続きを代行してもらうという方法もあります。
社会保険労務士に依頼することで、書類の取得などを代行してもらうことが可能です。
代行には委任状が必要になりますが、多くの書類を独力で集めるのが困難な場合には、選択肢に入るのではないでしょうか。
- ※ この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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