相談事例方式:リタイア前の保険の見直し
今回は、お子さまも独立し自身のリタイア後を考え始めた方で、自身が介護状態になったときに、お子さまに迷惑をかけたくないと思っている方の事例をみていきましょう。
ご相談者プロフィール
夫:会社員55歳 妻:パート50歳 子ども:1人24歳 お住まい:持ち家
現在の保険加入状況
掛金6,000円/月(保険期間・掛金払込期間:60歳)
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夫:共済 死亡保障
(病気) 360万円
(不慮の事故) 700万円
(交通事故) 1,000万円 -
夫:共済 医療保障
(病気) 日額4,300円
(事故) 日額5,000円 -
妻:共済 死亡保障
(病気) 360万円
(不慮の事故) 700万円
(交通事故) 1,000万円 -
妻:共済 医療保障
(病気) 日額4,300円
(事故) 日額5,000円
ご希望
- ・自分が介護状態になっても、子どもに迷惑をかけずに済むように備えたい。
- ・55歳になり給料が下がったので保険料は抑えたいが、子どもが独立し教育にお金がかからなくなったので、介護保障に関しては、ある程度の保険料負担はやむを得ないと考えている。
- ・夫婦とも共済にしか加入していないので、今後のことを考え、一生涯の医療保障が欲しい。
- ・高額療養費制度※1があるので、医療保障は最低限の保障で良い。ただ、先進医療※2が気になるので、保険料が高くなければ保障をつけたい。
- ・子どもが独立し、ある程度の蓄えもあるので死亡保障は必要ない。
※1高額療養費制度:1ヶ月の内に医療機関等の窓口で支払った額が一定額を超えた場合に、その超えた金額が支給される公的医療保険制度の一つです。
※2先進医療:厚生労働大臣が指定した先進性の高い医療技術のことで、技術料は公的医療保険制度の対象外となり、高額となる場合があります。
見直しのポイント
- ・一番不安に思っている介護保障について、保険料は抑えつつ、新たに介護保険に加入する。
- ・医療保障は、最低限の保障内容で一生涯の医療保障が得られるように考慮する。
- ・先進医療の保障が得られ、保険料が安い医療保険を検討する。
- ・優先順位を考慮し、保険料は介護保障への充当を一番に考える。
解決策
- ① 公的介護保険は、介護サービスにかかった費用の1割負担で済みますが、支給限度額が決められているため、子どもに負担をかけないようにするには心もとない気がします。
将来の介護に備えるために、民間介護保険に加入します。現状より保険料はかなり高くなりますが、一人っ子のお子さまに介護を負わせないための安心感を優先させます。
公的介護保険制度の要介護2以上の状態と認定され、その要介護状態が継続されている限り、一生涯、介護年金60万円が受け取れる保険設計ができます。介護施設に通ったり、入所したりしてサービスを受ける場合、食費や日常生活費・滞在費は全額自己負担になりますので、月5万円(年60万円)程度の給付金があれば、大きな負担感なく過ごせると思います。 - ② 医療保障の現状では65歳迄の保障になっており※3、かつ病気での入院保障が手薄のため、共済ではなく民間医療保険へ加入します。保険料を抑えるため、ご希望に沿った日額5,000円の一生涯保障で、終身払の医療保険をオススメします。
※3共済では掛金が上がりますが、65歳以降も保障が継続される場合もあります。 - ③ 高額な先進医療への備えとして、医療保険に「先進医療特約」を付加します。先進医療特約は、各保険会社の保険商品によって違いがありますが、保険料は月々100~150円程度で、技術料1,000万~2,000万円の保障を得ることができ、万一のときのお金の不安を解消することができます。
ご提案保険内容
保険料約21,700円/月
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夫:介護保障
A社介護保険(低解約返戻金型) 介護年金額60万円(一生涯保障・終身払)約7,300円/月 -
夫:医療保障
B社医療保険 日額5,000円(一生涯保障・終身払)約3,800円/月 -
妻:介護保障
A社介護保険(低解約返戻金型) 介護年金額60万円(一生涯保障・終身払)約7,900円/月 - 妻:医療保障
- B社医療保険 日額5,000円(一生涯保障・終身払)約2,700円/月
相談者のご希望を、全て満たすご提案ができました。毎月の保険料を抑え、一生涯の介護保障・医療保障を得ることができると考えます。
子どもが独立しリタイアがみえてきたときは保険の見直し時期ですので、よくわからない・迷っている・アドバイスが欲しいという方は、一度ご相談されたほうが良いでしょう。
(注)保険料等の数字はあくまでも概算数字ですので、実際の保険料とは違う場合があります。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。