相談事例方式:がん家系の方の保険見直し
今回は、ご両親や親戚をがんで亡くされ、ご夫婦ともがん家系であると自覚し、がんへの不安をお持ちの方の事例をみていきましょう。
ご相談者プロフィール
夫:会社員40歳 妻:会社員40歳 子ども:2人(15歳・13歳) お住まい:持ち家
現在の保険加入状況
保険料16,000円/月
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夫:A社収入保障保険(※) 死亡保障
180万円/年×20年(50歳保障・払込終了) -
夫:B社医療保険 入院保障
日額10,000円(終身保障・65歳払込終了) -
妻:B社医療保険 入院保障
日額10,000円(終身保障・65歳払込終了)
※収入保障保険:被保険者の死亡時に、死亡・高度障害保険金が一時金ではなく、毎年・毎月の年金形式で受け取れる保険。希望すれば一時金で受け取ることもできるが、保険金総額は減少する。
ご希望
- ・がん家系なので夫婦とも40歳になったこともあり、がんへの備えをしたい。
- ・保険料の負担をなるべく抑え、住宅ローンの繰り上げ返済にお金をまわしたい。
- ・医療保障は平均寿命が延びているので、一生涯保障が欲しい。
- ・幅広く保障がある医療保険はそのまま継続したい。
- ・子ども2人が中高一貫の私立に通っていて教育費がかさむので、保険料は安いほうがいい。
見直しのポイント:現状とご希望のギャップ
- ・がん保障が手薄なため、新規でのがん保険への加入を検討する。
- ・多種多様ながん保険の中から、最近のがんの現状を踏まえたがん保険を選択する。
- ・教育費や住宅費にお金がかかるため、ご希望は満たしつつ保険料負担を大きくしないようにする。
解決策
- ① 最近、がんは技術の進歩により治療して治るケースが多く、治療も通院治療が多くなっています。がんになって経済的に一番のリスクになる時期は、教育費や住宅費にお金がかかる働き盛りの現役時代ですので、終身保障ではなく20年間保障のがん保険に加入すれば、保険料を大きく抑えることができます。
- ② ご夫婦は若くしてご結婚されていますので、10年後には教育費の負担から解放されます。その後は比較的、老後に向けて預貯金を増やすことができますので、引退後のがんへの備えとして、100万~200万円程度の預貯金を準備するように考えます。
- ③ 医療保障については、65歳払込終了で保障は一生涯なので、老後の年金収入から保険料を支払う必要はないという安心感があります。ご夫婦のご希望もあり、現在加入の医療保険を継続します。
- ④ ご主人の死亡保障は必要保障額(※)を計算すると、現在加入の保険金額でカバーできています。奥さまの死亡保障は現在ゼロですが、万一のときは、ご主人の収入が期待でき、子どもも中学生になっていること、また預貯金が潤沢であることを考えると必要性は低く、新規で死亡保険に加入する必要は低いと判断できます。
※必要保障額:万一のときに必要なお金(生活費や教育費等)から、準備されているお金(遺族年金や預貯金等)を差し引いた額。
ご提案保険内容(追加分)
保険料4,100円/月
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夫:がん保障
C社がん保険 通院日額10,000円・診断一時金100万円・先進医療2,000万円(20年満了)1,700円/月 -
妻:がん保障
C社がん保険 通院日額10,000円・診断一時金100万円・先進医療2,000万円(20年満了)2,400円/月
現在加入の保険はそのまま継続し、相談者のご希望を満たすご提案ができました。がんへの備えとして、働き盛りの現役時代は保険料を抑えたがん保険で備え、老後は預貯金で備えるという考え方に納得していただけました。
毎月約4,000円の保険料負担が増えますが、想像していたより保険料を抑えられたということで、ご相談者の満足度は高かったです。「がんは心配だけど、どう考えたらいいのかわからない」という方は多いので、迷っている・アドバイスが欲しいという方は、一度ご相談されたほうがよいでしょう。
(注)保険料等の数字はあくまでも概算数字ですので、実際の保険料とは違う場合があります。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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