生命保険を解約する場合の注意点
ライフスタイルの変化や家計の見直しなどにより、加入していた生命保険を解約するケースがあります。解約は、「全部解約」「部分解約(一部解約)」の2つの方法があります。また、生命保険の種類によって解約時に受け取れる解約返戻金の金額も異なります。
以下、解約の方法と解約返戻金についてみていきます。
解約の方法
「全部解約」は、解約しようと思っている生命保険を全てやめてしまう解約方法になり、解約された時点で契約は消滅し、以降の保障はなくなります。
「部分解約(一部解約)」とは、保険契約自体を解約するのではなく、生命保険の一部分を解約することで、主契約や特約の保障額を減額する方法や、主契約はそのままで不要になった特約部分を解約する方法があります。ただし、特約の種類によっては、その特約を解約すると、別の特約も併せて解約になるものもありますので、注意が必要です。また、主契約部分の予定利率が高い商品は、全部解約をせず、主契約部分を部分解約(一部解約)するのも一案です。
生命保険商品による解約返戻金の違い
- 1.解約返戻金がない、またはあっても少額
- 定期保険や医療保険等が該当します。
「無解約返戻金」と記載のある商品は解約返戻金がありません。逆に健康祝い金や満期金が出る保険では、解約返戻金がある可能性があります。 - 2.解約返戻金が払込保険料と同程度
- 学資保険や個人年金保険等が該当します。
満期近くに解約した場合には、払込保険料と同程度の解約返戻金が支払われます。ただし、加入後短期間で解約した場合は、解約返戻金がまったくないか、少額になります。 - 3.解約返戻金が払込保険料を上回る
- 終身保険等が該当します。
契約から一定の期間を過ぎますと、解約返戻金が払込保険料を上回ります。貯蓄機能を重視して終身保険に加入された場合は、1年に1回保険会社から送られてくる加入中保険内容の案内等で、解約返戻金の金額を確認するようにしましょう。 - また、終身保険のなかには、保険料払込満了までの解約返戻金の水準を従来型より低く抑えた「低解約返戻金型終身保険」というタイプがあります。このタイプは、一般の終身保険に比べ保険料がお手頃になっています。貯蓄のために加入する場合は、保険料払込満了するまで元本割れの状態が続きますので、契約時に加入年齢や払込終了時期、解約時期が自分の目的に合っているか、確認が必要です。
主契約を全部解約すると、その時点で契約は消滅します。解約された契約は元に戻すことができません。後で、同程度の保障を付けたい場合、加入する時の年齢で保険料が計算されますので、一般的に保険料は解約前の契約より高くなります。また、その時の健康状態によっては、新たな生命保険への加入が難しくなる場合もあります。
解約返戻金に掛かる税金
解約返戻金は、一時所得として所得税の課税対象になります。
課税の対象となる金額の計算式は、
(解約返戻金-払込保険料合計額-50万円)×1/2 = 一時所得の課税対象金額
になり、他の所得と合算されて税額が決まってきます。
解約返戻金が「払込保険料+50万円」を下回る場合、税金はかかりません。
なお、契約者と保険料の負担者が異なる場合は、贈与税の対象になりますので注意が必要です。
解約に関しては、今後のライフプラン、家族の状況等を考え、慎重に判断をしましょう。
※本記事は、2019年1月22日に掲載された記事です。そのため、記事内容は掲載日のものであり、現在と情報内容が異なっている場合がございますので、本記事の閲覧・利用等に際しては、ご注意ください。
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