運転者家族限定特約の範囲について
運転者家族限定特約は、運転者年齢条件特約と同様、契約者の判断によって運転する人を限定することにより保険料を抑えることができる特約です。
以下、「自動車保険が規定している家族の範囲」と「一般的に考えられている家族の範囲」の違いと、運転者家族限定特約をつけた場合の注意点についてみていきます。
自動車保険が規定している家族の範囲
一般的に、自動車保険の運転者家族限定特約で規定している家族の範囲は、
- (1)記名被保険者(主に保険契約車の運転をする人)
- (2)記名被保険者の配偶者
- (3)「記名被保険者またはその配偶者」の同居の親族
- (4)「記名被保険者またはその配偶者」の別居の未婚の子
です。
(1)と(2)の範囲については明確に判断がつきますね。
(3)の「同居の親族」の範囲については、わからない人もいるのではないでしょうか。「同居」と「親族」に分けてその範囲を説明します。
親族の範囲については「6親等内の血族、配偶者および3親等内の姻族」と定義されています。かなり広い範囲の方が補償の対象になりますが、同居していることが条件であることに注意しましょう。
その「同居」とは、「同一家屋」に居住していることを指します。同一生計や扶養関係であるかどうかについては問いません。
同一家屋については、マンションのように各戸室の区分が明確な場合は別居扱いになります。しかし、建物内の階段や廊下などを使って自由に行き来ができる2世帯住宅の場合や、建物が分かれていても、台所など生活用設備のない「はなれ」や「勉強部屋」などの場合は同一家屋に該当します。
(4)の「別居の未婚の子」については、特に注意が必要です。
未婚とは婚姻歴がないことを意味します。離婚した子や配偶者と死別した子が1人で生活していても、運転者家族限定特約で規定する子の範囲からは外れます。
運転者家族限定特約で注意すること
運転者家族限定特約を付加した車を上記の家族以外の人が運転し事故を起こした場合、保険会社から保険金は支払われません。
別居中の子どもが実家へ帰省した時に保険契約の車を運転することが考えられる場合、事前にその車についている特約条件(運転者家族限定特約や運転者年齢条件特約)を確認することが必要です。
例えば、短期(7日以内)の帰省であれば、帰省する期間だけ1日単位で自動車保険に加入して事故に備えるのも一つの方法です。
自動車保険を取り扱っている保険会社は、さまざまな限定を設けることで保険料が割り引きになるような特約を用意しています。上手に活用すれば、保険料をお手頃にすることができます。
ただし、限定範囲外の人が運転して事故を起こした場合には、保険金が支払われないという点も意識しておきましょう。
※本記事は、2017年9月6日に掲載された記事です。そのため、記事内容は掲載日のものであり、現在と情報内容が異なっている場合がございますので、本記事の閲覧・利用等に際しては、ご注意ください。
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