資産運用とは、お金にも働いてもらうこと
「貯蓄が多いのと少ないのでは、どちらがいいですか?」と質問されたら、皆さんならどのように答えますか?
もちろんお金持ちにはお金持ちなりの悩みが存在するのも事実でしょうが、お金は少しでも多くあったほうが多くの自由を得られるため、大多数の方が「貯蓄は多いほうがいい」と答えるのではないでしょうか。
しかし、頭では理解ができても、実際に貯蓄を増やしていくのは大変ですよね。それではどうしたらいいのでしょう?
貯蓄を増やす3つの手段
基本的に貯蓄を増やしていくためには、以下の3つの手段しかありません。
- 収入を増やす
- 支出を減らす(節約)
- お金を殖やす(資産運用)
まず 1 の「収入を増やす」という手段ですが、これは実現するのがなかなか難しい状況にあります。厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、1世帯当たりの平均所得金額は平成6年の664万円をピークに減少しており、平成21年には549万円まで下がっています。平均値ではありますが、大変厳しい状況です。
2 の「支出を減らす(節約)」というのはどうでしょうか。もちろん有効な手段ではありますが、日頃から節約を意識して過ごしていてもなかなかまとまった金額の節約はできません。しかもダイエットと同じで我慢が必要ですから、継続させるのが難しいですし、ストレスも溜まります。その溜まったストレスで、ある日突然に散財をしてしまうなんてこともあるかもしれません。
そうであれば、3 の「お金を殖やす(資産運用)」に目を向けてみませんか?資産運用というと、株式のデイトレード等の投機的で危ないイメージのものを思い浮かべて敬遠される方もいるかもしれませんが、たとえば比較的安全とされる日本の国債を購入することも立派な資産運用です。日本よりも金利水準の高い海外の債券や外貨建MMF等で、手元にある資金を少しでも効率的に殖やしていこうとするのも資産運用のひとつの方法です。もちろん元本保証のない商品もありますので、きちんとした知識を身につけて自己責任で行う必要がありますが、漠然と敬遠するというのはおすすめできません。
今の日本の個人金融資産は1,500兆円を超えており、アメリカに次いで世界で2番目の規模です。しかし、現在の日本人はその大半を預貯金等ほとんど殖えないところで眠らせてしまっています。投機的なことには手を出さないにしても、少しだけリスクをとって効率的に資産運用を行いお金を殖やすことができれば、新たなリターン(収益)が生まれます。それが消費に結び付けば、落ち込んでいる日本経済の活性化にもつながるかもしれません。この機会にぜひ資産運用にも目を向けてみてください。
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コラム執筆者プロフィール
久保 逸郎 (クボ イツロウ) マイアドバイザー.jp®登録 - FPオフィス クライアントサイド代表
高校1年で中退し、大検を取得して大学に進学。卒業後は大手リース会社、外資系生命保険会社を経て、平成15年3月にファイナンシャルプランナーとして独立。
相談業務を中心に実務派ファイナンシャルプランナーとして活動する傍ら、年間100回を超えるセミナー講師や、マネー雑誌等への原稿執筆などを行っている。
ファイナンシャルプランナー 久保 逸郎
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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