個人年金保険の特徴
老後が不安な方が多いとよく聞きますが、実際はどうなのでしょうか?また、老後の備えはどのように考えればいいでしょうか?
内閣府というところが調べている「国民生活に関する世論調査(平成23年10月調査)」に、日常生活のなかで感じる悩みや不安という項目があります。次の5つの項目で、どれが1位になったかお分かりになりますか?
- 自分の健康
- 家族の健康
- 今後の収入や資産の見通し
- 老後の生活設計
- 現在の収入や資産
正解は、第1位が「老後の生活設計」、第2位が「自分の健康」、第3位が「今後の収入や資産の見通し」、第4位が「家族の健康」、第5位が「現在の収入や資産」という結果になっています。多くの方が、健康よりも老後の不安の方が大きいと感じているということですね。
老後へ備える方法としては、コツコツ預貯金で準備する・投資信託で運用する・個人年金に加入する等の方法があります。ただ、超低金利の時代ですので、預貯金だけで老後資金を準備するのは難しいのが実情です。
やはり身近で始めやすい個人年金保険が、有力な選択肢の一つになってくると思います。個人年金保険とは、例えば「60歳まで毎月保険料を支払って、60歳から10年間、それまでに支払った保険料よりも多めの年金を受け取れる」という仕組みです。
個人年金保険といっても大きく2つに分かれますが、どのような種類があるかご存知ですか?
個人年金保険は、「定額型」と「変額型」の2種類があります。文字通り、定額型は受け取り額が定まっているもの、変額型は受け取り額が運用の結果によって変わるというものです。
定額型は、加入したときにいくら支払っていくら受け取るかが決まっていますので、安心感があります。この定額型の一つに外貨建ての個人年金も含まれます。円建てだとあまり増えませんが、米ドルや豪ドル等の外貨建てだと円建てより比較的受け取る額が増えていきます。ただ、外貨建ては為替の影響を受けますので注意が必要です。
変額型は、保険会社の運用成果によっていくら受け取れるのかが決まっていないという点で、リスクがあります。思った以上に増えることもあれば、「こんなはずじゃなかった」ということもあるかもしれません。
各保険会社が取り扱っている個人年金保険は、要件を満たせば所得税や住民税の支払いにおいて「個人年金保険料控除」を利用できる商品です。老後への備えをしながら、保険料を支払っている期間は税金を少し減らせますので、老後が不安という人は検討してみてもいいでしょう。リスクをとりたくない人は定額型、リスクをとっても受け取る額を増やしたい人は変額型が向いています。
最後に、お金の面で老後が不安という方は多いですが、お金があっても健康でなければ老後を楽しむことはできません。平均寿命は延びていますので、「健康寿命」も延ばせるように、若いうちから食生活に気を遣い、スポーツをして体を動かし、ストレスを溜めないように笑顔で毎日過ごすようにしましょう。
-
コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
-
コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。