2019.06.14
会社員・公務員が受給できる障害年金の額は?手続き方法は?
障がいの状態になったときに心強い味方となる「障害年金」ですが、その金額は人によって異なります。このコラムでは、会社員や公務員が受給できる障害年金の金額の目安と、手続き方法についてお伝えします。
障害年金の金額は?
会社員や公務員の場合、障害等級の1級と2級に該当する方は、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」が受給できます。3級の方は、障害厚生年金のみとなります。また、障がいの状態が3級よりも少し軽い方は、障害手当金という一時金が受給できます。
障害年金の具体的な金額をまとめると、下図の通りです。
図 会社員・公務員が受給できる障害年金(年額)・障害手当金(一時金)
資料:日本年金機構「障害年金ガイド平成31年度版」をもとに執筆者作成
障害年金の金額は一定ではなく、障がいの程度や、生計を維持している子どもや配偶者の有無、給与の金額などによって変わります。
・子の加算額
障害基礎年金の受給者が生計を維持している18歳到達年度末日(一定の障害者は20歳)を経過していない子どもがいる場合、子の加算額が追加されます。1人目と2人目の子どもは各224,500円(年額)、3人目以降の子どもは各74,800円(年額)となります。
・配偶者の加給年金額
障害等級1級・2級の障害厚生年金の受給者が生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合、配偶者の加給年金額(年額224,500円)が追加されます。
・報酬比例の年金額
障害厚生年金の金額は報酬比例となっており、障害認定日までの給与金額と厚生年金の加入月数によって決められます。加入期間が300月に満たない場合は、300月として計算されます。
障害年金の金額例
会社員や公務員が受給できる障害年金の金額例を挙げます(下表を参照)。障害厚生年金は、給与金額や厚生年金の加入期間などによって金額が変動しますので、あくまでも目安としてください。
表 障害年金の金額例(平均月収30万円の会社員の場合)
※スクロールで表がスライドします。
(年額)
- ※平均月収とは、平均標準報酬額(おおよそ年収の12分の1)を指す
- ※厚生年金の加入期間などを一定要件に限定したうえでの概算
資料:日本年金機構「障害年金ガイド 平成31年度版」をもとに執筆者作成
障害年金の手続き方法
障害年金を受給するためには、自ら申請手続きを行う必要があります。申請手続きができるのは、障がいの状態に至った病気やケガの初診日から原則1年6カ月経ってからとなります。障害基礎年金および障害厚生年金・障害手当金(一時金)を受給するためには、それぞれの要件を満たしていることが必要になります。
なお、障害年金の手続きに必要な書類は、請求内容や家族構成などによって異なります。自分が準備する書類の種類や書き方について、年金事務所でひとつひとつ相談しながら進めていきましょう。
・受診状況等証明書
障がいの原因または誘因となった傷病の初診日を証明するために必要な証明書です。初診日が何年も前である場合など、初診日を証明する書類がない方もいるでしょう。そのときは、初診日を証明するのに参考となる資料を提出することで初診日を証明することができます。
・病歴・就労状況等申立書
発病から現在までの病状や通院歴などについて、自分で記入します。ほかの書類と整合性が取れていることを確認しながら書きましょう。
・医師の診断書
医療機関に依頼して、障害認定日より3カ月以内の現症を証明してもらいます。もし、障害認定日と年金請求日が1年以上離れている場合は、直近の診断書(年金請求日前3カ月以内の現症のもの)も必要となります。請求内容によって診断書の種類や診断書に記入する症状の日付が異なるため、診断書作成前に必ず確認しましょう。
・その他の必要書類
最後に、年金請求書や年金手帳など、その他の必要書類を準備します。生計を維持している家族の有無や、障がいの原因などによって、必要な書類が変わります。
必要書類がすべて揃ったら、近くの年金事務所に提出します。障害厚生年金の場合、書類を提出してから審査結果のお知らせが届くまでの期間は、3カ月が目安となります。
障害年金は、提出した書類によって障害年金の支給有無や障害等級が決まります。そのため、障がいの状態を正しく伝えられるように書類を書くことが大切です。自分で申請するのが難しいときには、障害年金の申請手続きをサポートしてくれる社会保険労務士に相談するのもおすすめです。
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