女性特有の病気とその備え その1 ~若年期
「女性特有の病気」とは、どのようなものがあるのでしょう。
また、それに対しての備えはどうしたらよいでしょうか。
女性特有の病気は年齢層によっても違うため、女性のライフプランを考える場合には、その時々に安心できる備えを考える必要があります。
今回は、20歳代~30歳代前半までの若年期のケースをみていきます。
入院を伴う「病気」は少ない
若年期層が入院を伴う病気にかかるのは、まれなケースといえるでしょう。
ただ、入院を必要とする病気で、他の年齢層と違う点は、「妊娠、出産に伴うもの」が多いことです(平成23年厚生労働省?患者調査より)。
妊娠・出産自体は病気とはいえませんが、妊娠中に起こる病気も少なくありません。
妊娠中に起こる入院を伴う主な病気は、早産、子宮頸管無力症、前置胎盤などです。
早産の中でも「切迫早産」は、まだ生まれるには早い段階で生まれそうになるものですが、安静や治療によって妊娠を継続できます。安静を保つために入院が必要になることもあり、状態によってはそれが長期化することもあります。
「子宮頸管無力症」は、赤ちゃんが生まれるまで閉じているはずの子宮口が、妊娠の早い段階から開いてしまうので、子宮口を手術する必要があり、入院が必要となります。
これらのような妊娠中のトラブルがあると、帝王切開で出産する可能性が高くなります。
【PR】今、女性が選ぶべき保険市場いちおしの医療保険はこちら
その他にこの年齢層で多い病気は、アトピー性皮膚炎などの皮膚科系や精神疾患、呼吸器系、消化器系が多いようです。
しかし、入院受療数は、10万人に対して約200~380人となっており、割合としては約0.3%と少ないことがわかります。
妊娠、出産の備えは必要?
それでは、妊娠・出産への備えは、どの程度必要なのでしょうか。
分娩とそれに伴う費用は、厚生労働省の資料によると、平均値で約47万円となっています。地域によって差がありますが、東京都や神奈川県は50万円を超えています。
正常分娩の場合は、全額自己負担となりますが、公的保険の給付金により出産費用の大部分が賄えます。
例えば、出産に伴い、公的にもらえるお金は、健康保険や国民健康保険から「出産育児一時金」が原則42万円もらえますし、妊婦さん自身が会社員の場合は「出産手当金」が給付されます。
出産一時金の給付は、「直接支払制度」により、医療機関窓口にて医療費負担の軽減が図られています。
妊娠中のトラブルによる入院および手術の場合は、健康保険が適用されますが、費用負担がどれほどになるかわからないため、全く準備しなくてもよいというわけではありません。突発的なときに使える現金を準備しておくと安心です。
また、勤務先独自の福利厚生制度も前もって確認して、すぐに請求できるように準備しておくとよいでしょう。
病気への備えは必要?
前述の厚生労働省の患者調査の受療率からみて、入院を伴う病気になる確率が低い若年期層は、病気への備えは一見、必要ないように思われるかもしれません。
しかし、保険は一般的に若い時期に加入したほうが、保険料が安くなります。
また、この年齢層を象徴する「妊娠」をし、帝王切開での出産となった場合、その後医療保険に加入しても今後の帝王切開の手術の保障は受けられない可能性が出てきます。
また、妊娠をきっかけに産婦人科を受診した結果、子宮筋腫などが見つかるかもしれませんが、その場合も帝王切開と同様です。
若年期層といえども、最低限の医療保険で備えておくことは安心につながります。
【PR】今、女性が選ぶべき保険市場いちおしの医療保険はこちら
病気への備えとして必要なのは、病気治療に伴う費用のほかに、入院して仕事を休んだ場合の収入減に対するものも考えられます。
独身で一人暮らしの場合は病気により仕事を長期間休むとなると、切実な問題となります。
これに対する備えとしては、「所得補償保険」、「就業不能保険」が適しています。
病気やケガで「長期間働けない状態」になったときは、公的な健康保険でも補償される場合もありますが、給料の約3分の2(注1)を最長で1年6カ月間支給と限られていますので、民間保険である「所得補償保険」、「就業不能保険」でも備えることができます。
(注1)厳密には、標準報酬日額の3分の2となります。
また、保険での備えだけではなく、何かあった時のための予備費は、どの年代にも必要です。生活費の3カ月~半年程度分を予備費として貯蓄しておくと心強いでしょう。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
掲載日:2020年7月2日
若年期における「女性特有の病気」の種類
20歳代~30歳代前半の女性がかかる可能性のある「女性特有の病気」には、どのような種類があるのでしょうか。
まず「がん」についてみてみると、「子宮頸がん」「子宮体がん」「卵巣がん」などが挙げられます。
国立がん研究センターがん情報サービスによると、子宮頸がんと診断される方は20歳代後半から増加するとされており、また、子宮体がんは40歳ごろ、卵巣がんは40歳代から診断される方が増加しますが、20歳代で診断される方もいます。
がん以外では「子宮内膜症」や「子宮筋腫」などの病気があります。厚生労働省の資料によると、20歳代~30歳代の女性のうち、子宮内膜症は10%、子宮筋腫は20%の方がかかるといわれており、不安に思う方もいるかもしれません。
以上のような、若年期に診断されるかもしれない女性特有の病気への手厚い備えとして、「女性保険」や、医療保険に付加できる「女性特約」があります。
これらの保険や特約では、女性特有の病気による入院や手術などのときに、一般的な病気による入院や手術の場合と比べて、上乗せされた給付金を受け取ることができます。また、多くの女性特有の病気に加えて、全てのがんを手厚い保障の対象としている保険も複数販売されています。
女性特有の病気と、それに対する保障が受けられる保険を知ることで、若年期から自身に合った保険への加入を検討できると良いでしょう。