幼稚園児、保育園児のパパに向けて、子どものためのマネープランニング その2
「いつ」に向けて、今から計画的な準備を!
「子どもが大きくなったらお金がかかる」とは漠然と分かっていても、今の幼い子どもの姿や生活から思い描ける将来は数年先くらいまでですよね。
数年先にかかるお金として具体的な金額といえば、小学校に入学する前の秋頃に予約をするランドセルの価格の相場は30,000~40,000円だとか、公立小学校に入学したら学校に支払うお金は月に5,000円くらいの給食費だけでいいらしいだとか、周りのパパ・ママからの口コミ情報で分かる程度ではないでしょうか。
漠然としたものを具体的に考えて、「いつ」「いくら」かかるのかまで把握されている方は少ないと思われます。
それはかわいい子どものことを、お金の問題として意識することに抵抗感があったり、まだまだ先だから現実味がないと意識的に考えないようにしていたり、「お金がかかる=負のこと」としてのイメージから、後回しにしてしまうのかもしれません。
しかし実は、「幼稚園児、保育園児のパパに向けて、子どものためのマネープランニング その1」でもお伝えしたように、「いつ」については、子どもが生まれた時点で、6年後に小学校に入学し、18年後に高校を卒業するというように、時期を正確に把握することができます。そのため、教育にかかるお金を準備する計画は立てやすいうえ、子どもが幼稚園児や保育園児とまだ小さく、将来のお金のかかる時期までの期間が長い今から、計画的に準備することが大切になってくるのです。
子どもの教育にかかるお金は「いくら」かを知ろう
では「いくら」について、データから具体的な数字をみてみましょう。
表1 学校コース別 教育にかかるお金の総費用(自宅通学の場合)
資料:文部科学省「平成22年度 子どもの学習費調査」
日本政策金融公庫国民生活事業「平成23年度 教育費負担の実態調査結果(国の教育ローン利用勤労者世帯)」
文部科学省「平成23年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果」
を基に執筆者が試算
こちらの表で示されている金額は、学校に支払う授業費以外に、通学費、学習塾費用、おけいこごと費用等の子どもの教育にかかるお金全般が含まれています。
このように具体的な数字でみると、今の幼稚園時代のたった2~3年間であっても私立と公立で大きな開きがあり、約115万円も違うことが分かります。
より具体的にみるために、1ヶ月あたりの金額にしてみましょう。
表2 1ヶ月あたりの教育にかかるお金の総費用
資料:表1を基に執筆者が試算
※公立幼稚園は2年保育、私立幼稚園は3年保育として計算
※国立大学については、医学部等も含めているデータではあるが全て4年制として計算
実際は、月払いではなく3ヶ月分をまとめて4期に分けて支払う学校や、大学になると半期ごとにまとめての支払いになりますが、1ヶ月あたりにすることで、子どもがその進路を選ぶことによりどのくらいのお金がかかるのかがイメージしやすいのではないでしょうか。
「いくら」というこの金額と「いつ」を合わせて考えていけば、お金のかかる時期に向けての準備の計画が立てられますね。
平成25年12月現在では公立高校授業料無償制や高校等就学支援金もあり、「高校までは毎月の支出の中からやりくりできそうだが、やっぱり子どもが大学生になったら準備しておかないと厳しい」、と思われる方が多いのではないでしょうか。
実はこのデータとは別に、大学受験から入学までの間には、出願料や受験時の交通費、入学式出席のための費用等が別途かかります。
合格したら入学金と前期授業料は先に払い込まないといけないことを考えると、この時期に入学金等の他に、ある程度まとまったお金が必要であるといえるでしょう。
さて、これらを踏まえて大学受験期までにどのくらいのお金を準備しておけばいいのか、「幼稚園児、保育園児のパパに向けて、子どものためのマネープランニング その3」で考えてみましょう。
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コラム執筆者プロフィール
川崎 由華 (カワサキ ユカ) マイアドバイザー.jp®登録 - CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、平成24年度日本FP協会「くらしとお金の相談室」相談員。
前職ではがん領域の薬を扱う製薬会社に勤務。
現在は2児の母をしながら、主婦向けのマネー講座や個人相談、執筆等ファイナンシャルプランナーとして活動中。
お金の数字だけの問題でなく、気持ちも汲み取れる身近で気さくな存在のファイナンシャルプランナーをモットーにしている。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 川崎 由華
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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