自動車保険の選び方のポイント:ネットで入る?代理店で入る?
自動車を保有するコストとしては、ガソリン代や駐車場代、車検費用や自賠責保険の保険料だけでなく、万一の時のために備える民間の自動車保険料も含まれます。
昔であれば、損害保険会社の代理店を通して加入する方法が一般的でしたが、最近は、インターネットを通して契約を行う通販型(ネット申込型、ダイレクト型などとも)の自動車保険に加入される方も増加しています。
通販型、代理店型とも同じ自動車保険ですので、補償内容にはほとんど差がありませんが、通販型と代理店型とではどのような違いがあるのでしょうか?
通販型の自動車保険の概要とメリット
通販型の自動車保険は、直接保険会社の人と会わずに、インターネットを通して保険料の見積りや申し込みを行います。質問などがある場合は、損害保険会社のコールセンターに問い合わせをします。なお、申し込み時に必要となる車検証などの書類は、保険会社に直接郵送します。
そして、万一、事故が発生した場合は保険会社の事故担当者が示談交渉も含めて事故処理が解決するまでサポートします。
図1 通販型の自動車保険
資料:執筆者作成
以上が通販型の自動車保険の概要になりますが、メリットと注意すべき点は次の通りです。
<メリット>
- ・代理店型と比べると、保険料が一般的にお手頃です。
- ・店舗などに出向く必要がなく、自分の好きな時間に契約手続きなどに関する作業ができます。
- ・インターネット上で、複数の自動車保険を手軽に比較できます。
<注意すべき点>
- ・自分で補償内容を選択していく必要があるため、補償内容でわからないことがある場合は、カスタマーセンターなどへの問い合わせが必要になります。
- ・事故発生時に電話でアドバイスを受けることが多いため、その部分に不安を感じる方もおられます。
代理店型の自動車保険の概要とメリット
代理店型の自動車保険は、損害保険代理店が保険会社と契約者との間に入り、対面で補償内容のアドバイスから契約までを行います。
そして、万一、事故が発生した場合は代理店の担当者が、事故処理が解決するまでサポートします。
図2 代理店型の自動車保険
資料:執筆者作成
以上が代理店型の自動車保険の概要になりますが、メリットと注意すべき点は次の通りです。
<メリット>
- ・契約前から代理店の担当者と対面で加入内容について相談できるので、自動車保険に関する知識があまりない場合でも、自分に合った補償を選択しやすいです。
- ・契約における手続きも、代理店の担当者が対面で説明やアドバイスをしてくれます。
- ・事故後の対応も対面で行うことが多いため、電話やインターネットでの対応と比べると安心感があります。
<注意すべき点>
- ・通販型と比べると保険料が一般的に高くなります。
- ・代理店が取り扱っている損害保険会社の自動車保険が中心になるため、複数の自動車保険を比較しにくい場合があります。
さぁ、通販型と代理店型のどちらを選ぶ!?
通販型と代理店型のそれぞれのメリットや注意すべき点を見てきました。では、どちらを選ぶのか?を考える時のポイントですが、皆さまが自動車保険に加入される時に、何を重視するのかがポイントになります。
保険料は毎年発生するものなので、同じ補償内容でもできるだけ保険料を抑えたい、またはできるだけ保険料を下げつつも補償内容を充実させたいという場合は、“通販型”の自動車保険を選択されるとよいでしょう。
電話やインターネットのやり取りだけでは不安があり、対面でサポートを受けたいという場合は、“代理店型”の自動車保険を選ぶとよいでしょう。
自動車保険を含めて保険に加入する目的は、万一のことがあった場合に必要な保障(補償)を受けるためです。
自動車保険は生命保険や医療保険などと違い、万一、補償が必要になった場合(事故が起きた場合)、その後の事故の相手側との交渉も必要になってきます。
事故後の対応については、通販型、代理店型のどちらも、示談交渉など基本的な事故対応には差がありません。
ただし、代理店型であれば、代理店の担当者が対面で、担当者と顔が見える形で進めていきます。一方、通販型では、専任の担当者がつきますが、原則、電話やインターネット(メール)でのやり取りになります(なかには、訪問サービスを行っている通販型の自動車保険もあります)。
事故対応を進めていく担当者の顔が見える方が安心だという方は、代理店型の方に軍配が上がります。逆に、電話やインターネット(メール)でのやり取りで十分だという方は、通販型の方に軍配が上がります。
補償内容とともに、毎年の保険料だけに目が行きがちですが、自動車保険はそれだけを比較するものではありません。
自動車保険に加入する時点で、万一のことがあった場合の対応について想像することは難しいことかもしれませんが、自動車保険については、上記の事故後の対応も含めて、どちらのタイプで加入するのか?を選択する必要があります。
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コラム執筆者プロフィール
岡田 佳久 (オカダ ヨシヒサ) マイアドバイザー.jp®登録 - 大学卒業後、商社勤務を経て、ファイナンシャルプランナーとして開業。
現在は、ファイナンシャルプランナー(CFP®)、キャリアカウンセラー(CDA)として高校生と大学生向けの金銭教育やキャリア教育、社会人を対象とした“お金”と“働く”に関する講演業務、雑誌などへの一般向けマネーコラムなどで活躍中。
ファイナンシャルプランナー 岡田 佳久
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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