もしも、停車中に後ろから追突されたら･･･

掲載日：2014年3月20日

信号待ちのために停車をしていて、まだ信号が青に変わっていないのに後ろから追突されてしまった、というようなもらい事故等の、明らかに過失がゼロの事故に遭った場合、保険会社が加害者との交渉にあたってくれない可能性があることを知っていますか？

このような場合、相手方に損害賠償を行う責任が生じず、保険会社は当事者でなくなってしまうため、交渉に臨めません。

つまり、自分で相手方と交渉しなければいけない可能性もあるのです。

いくら自分の過失がゼロである状況にあったとしても、自身がケガをしている可能性もありますし、痛みをこらえている可能性もあります。

そんな中、事故についての経験が乏しく、遠慮したり気後れしたりしながら、十分な補償を受けられるように交渉できる自信がありますか？

弁護士費用特約

「自分は上手に交渉できるかどうか不安だな･･･」と、考えてしまった方の大きな味方になってくれるのが「弁護士費用特約」です。

これは、自動車事故に遭い、損害賠償請求を行う場合に生じる弁護士費用等や、法律相談をする場合の費用が支払われるというものです。

つまり、この特約を付加しておけば、もらい事故等で保険会社が交渉に臨んでくれない場合においても、弁護士に交渉を依頼するための費用が補償されることになるので、相談費用や依頼費用の心配をする必要がありません。

事故の相手方が、常に良心的な人であるとは限りませんし、治療費や修理費用だけでなく、休業補償や代車費用等々、納得のいく補償（示談金）の支払いを受けられるようにするためにも、交通事故に明るい弁護士に依頼した方が、安心できるでしょう。

弁護士による交渉の方が有利？

実は、もらい事故以外でも、弁護士による交渉ができるように備えておく方が良い点があります。

交通事故の損害賠償金の基準には、「自賠責保険基準」「任意保険基準」「裁判所基準」の3つがあり、「自賠責保険基準」「任意保険基準」「裁判所基準」の順に、支払基準金額が大きくなります。

一般的に、保険会社が交渉にあたる場合は、「任意保険基準」で損害賠償額を算出し、その支払基準は保険会社によって異なるため、必ずしも納得のいく交渉結果にならない場合もあります。一方、弁護士が交渉にあたる場合は、「任意保険基準」よりも支払基準金額が大きい「裁判所基準」をもとにして、交渉を行います。「裁判所基準」では、保険会社が交渉にあたるよりも、補償を受けられる金額が大きくなる可能性があります。

弁護士費用特約をつけておいた方がいい？

そもそも、交通事故で交渉事が発生しないように安全運転することが、何よりも大切なことです。しかし、それだけではもらい事故等を防ぐことはできません。

保険料も保険会社によって異なるものの、年間保険料は1,000円程度です。

万一事故に遭ってしまったときのトラブル回避、そしてスムーズな事故処理のためにも、弁護士費用特約は付加しておくことが望ましい特約であるといえます。

弁護士は、保険会社から紹介してもらえる場合もありますし、一般的には、依頼する弁護士を自ら選択することも可能です。

なお、事故被害の程度（入院か通院等）によっては、弁護士費用が補償されない等、保険会社によって対応が異なる場合もあります。

補償内容の詳細については、加入しようとしている自動車保険の営業担当者やコールセンター等に問い合わせし、確認してみましょう。

少し手間はかかりますが、複数の保険会社の補償内容を、比較検討してみることも大切です。

いざというときに活きる保険となるようにしておきたいものですね。