安い自動車保険って大丈夫?
「えー!そんなに安くなるんですか?」と驚くお客さまと、電話オペレーターとのやり取りが映し出される自動車保険のCMを見ていて、自分の場合はどれくらい安くなるんだろう?と関心をもったことのある方は少なくないでしょう。
その一方で、「安い自動車保険って大丈夫なの?」と、ちょっぴり不安に思っている方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。
「リスク細分型自動車保険」という言葉を目や耳にしたことがありますか?安い自動車保険って、このリスク細分型自動車保険であることが多いモノ。
これは、車を運転する人のプロフィールや車に関するデータを危険度に応じて区分し、事故が生じる危険性が少ない契約者の保険料は低めに、事故が生じる危険性が高い契約者の保険料は高めに設定しようという自動車保険のことです。
事故が生じる危険性の要因には、どんなものがあるのでしょう。
保険業法施行規則の中では、自動車保険の保険料算出のために、以下の1~9のリスク要因、つまり事故が生じる危険性を考慮するように定めています。
- 年齢
- 性別
- 運転歴
- 営業用、自家用その他自動車の使用目的
- 年間走行距離その他自動車の使用状況
- 地域
- 自動車の種別
- 自動車の安全装置の有無
- 自動車の所有台数
例えば上記リスク要因5のことを例に挙げてみると、他の条件が同じと考えたとき、週に1、2回近所のスーパーへのお買いものに行くために車を使う方よりも、毎日、少し距離の離れたご実家への往来のために車を使う方の方が、事故が生じる危険性は高いとも考えられますよね。
上記の例はあくまでイメージですが、このように事故が生じる危険性の高低を区分して保険料は定められています。
つまり「リスク細分型自動車保険=安い自動車保険」ではないということ。
年齢や性別、車を使う頻度や事故歴等によっては、従来型の自動車保険の方が割安である場合もあります。CM等で提示されている保険料が安いからといって、いぶかしがったり不安に思ったりすることはありませんが、契約者属性によっては割高になる可能性もあるということを知っておきましょう。
また、単純に保険料の多寡に反応するだけではなく、補償内容についても自分にとって必要なものが揃っている契約内容になっているかを吟味することが、まず大切。
日頃、FPとしてご相談を受けてヒアリングを行う中で、自動車保険の保険料がいやに安いなと感じて補償内容を確認させてもらってみたら、保険料支払いを軽減するためだけに必要な補償を削っている場合もありましたよ。
あなたの自動車保険は、大丈夫ですか?
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コラム執筆者プロフィール
キムラ ミキ (キムラ ミキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部 福祉計画学科にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アフラックでの保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わる。その後FP会社でのスタッフ経験を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー キムラ ミキ
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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