対人賠償保険の注意点

対人賠償保険とは?
対人賠償保険とは、文字通り、人に対しての損害賠償をすることができる保険です。
つまり、交通事故で、事故の相手の死亡、ケガ等に対して、自賠責保険の補償額限度を超えてしまった部分を補償してくれるものです(法律上の損害賠償義務に基づいて相手側の損害を賠償することであり、単に相手側に損害が発生したという事実だけでなく損害賠償義務が発生することが前提です)。
景況が明るくなってきたとはいえ、まだまだ好景気とはいえない現在。保険料が高いから、任意保険は後回し・・・と考えているケースもあると思いますが、自賠責保険における補償額は、相手が死亡した場合3,000万円が限度ですし、相手に後遺障害が残って、介護がいつも必要な状態になったとしても4,000万円が限度です。特に、後遺障害が残ってしまった場合、逸失利益等を考慮し、損害額が3,000万円を超えてしまった判例も少なくありません。
まずは、交通事故をおこさないよう安全運転に努めることが重要ですが、万一、事故にあい、損害を与えてしまった場合にも、対応ができるようにしておくために、備えておきたい保険が対人賠償保険です。
対人の人って誰?
対人賠償保険の補償対象となる人、つまり事故の相手方とはどこまでを含むのか?自動車保険に加入している本人以外が他人であり、事故により、自分以外の人に損害を与えた場合の全てが補償対象でしょ?と思っている人も多いのではないでしょうか。
ところが、契約者(記名被保険者)とその同居の家族、および未婚の子(別居含む)等、対人賠償保険で、補償をすることができない人もいます。例えば、夫が所有している自動車で、妻にケガをさせてしまった場合は、夫の自動車保険で、妻に補償することはできないということです。
この機会に、補償の対象となる人、ならない人を約款でよく確認しておきましょう。
いくらまで補償される?
対人賠償保険の補償額は、無制限としている人がほとんどでしょう。過去の判例をみると、裁判で認定された損害額が、億に達しているケースもあります。
確かに、対人賠償保険の補償額に限度をつければ、保険料を節約することができるかもしれません。しかし、節約といっても、無制限にした場合と限度をつけた場合を比較してみると、年間保険料で、ほとんどの場合が数百円の差でしかありません。
節約に目が向き過ぎて、必要なものまで削り落さないように注意をしましょう!

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コラム執筆者プロフィール
キムラ ミキ (キムラ ミキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 鳥取県立米子東高等学校卒業後、日本社会事業大学 社会福祉学部 福祉計画学科にて福祉行政を学ぶ。
大学在学中にAFP、社会福祉士を取得。大学卒業後、アフラックでの保険営業を経て、株式会社アゼル(マンションデベロッパー)にてマンション営業、マンション営業企画に携わる。その後FP会社でのスタッフ経験を経て、ファイナンシャルプランナーとして独立。

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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー キムラ ミキ
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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