医療保険の特徴
医療保険に加入を検討中ですが、注意点やポイントを教えていただけますか?
CM・新聞・雑誌等で様々な医療保険が宣伝されていますが、まずは商品の比較よりも医療保険を検討するための3つのポイントを整理するようにしましょう。
1.入院当たり何日必要?
医療保険に加入すれば、入院期間中ずっと給付金がもらえるわけではありません。医療保険には60日型・120日型・180日型等の種類があり、その商品で定められている日数しか給付金は出ません。「じゃあ、何日あったらいいの?」と言う声がきこえてきそうですが、最近は国の政策(医療費抑制)により、入院日数はどんどん短期化していることを考慮する必要があります。
一般的な病気やケガで入院した場合、60日を超えることは少ないですが、脳血管疾患での入院は平均104.7日(厚生労働省「患者調査」より)と長期におよぶことがあります。目安としては、家系的に脳血管疾患が心配な場合は120日型以上、それ以外の方は60日型でもいいのかもしれません。
2.入院日額はいくら必要?
高額療養費制度によって毎月の医療費自己負担額の上限は決まっていますが、食費や差額ベッド代は自己負担になります。例えば、52歳男性が脳梗塞で51日間入院した場合、高額療養費を考慮した自己負担額は221,473円になりますが、差額ベッド代・見舞い時の家族の交通費・食費代等のその他の自己負担額は327,500円になります(生命保険文化センター医療保障ガイドより)。つまり、医療保険で最低限の入院医療費をカバーできればいいと考える場合は「日額5,000円」、できる限りその他の自己負担分も医療保険でカバーしたいと考える場合は「日額10,000円」を目安にすればいいでしょう。
3.特約・保障期間・保険料の支払い方は?
特約は成人病特約・特定疾病保障特約・女性疾病保障特約・通院特約等、実に様々な種類があります。まずは、本当に必要かどうかを吟味するようにしましょう。保険はシンプルなものにした方が、いざというときにわかりやすいかもしれませんね。
保障期間については80歳までや10年更新等、やはり様々な設定が可能ですが、平均寿命がどんどん延びて長生きすることによる入院・手術の機会が増えることを考えると、一生涯の保障の方が安心できるかもしれませんね。
保険料の支払い方は、保障期間中に保険料を払い続けるタイプ(終身払)と、65歳等で保険料は払い終えて保障は一生涯続くというタイプ(短期払)があります。支払余力があり、長生きする自信がある場合は、短期払で保険料を払い終えた方がいいでしょう。また、将来「年金から保険料を払い続けることをどう思うか?」という視点から決めてもいいかもしれません。
医療保険の加入に際し商品から選ぶのではなく、上記の3つのポイントに沿って、まずは自分で「どういう保障があればいいのか?」を考えてみましょう。売れている商品が自分にピッタリな商品とは限りませんので、迷う場合は一度専門家にご相談されることをおすすめします。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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