先進医療特約
最近、「先進医療」という言葉をよく聞きますが、どのような医療でしょうか?また、保険で備えることができるのでしょうか?
保険会社が先進医療を強調するようになり、認知度が上がっているのは確かかもしれませんが、きちんと説明できる方は少ないのが現状でしょう。そもそも、先進医療とはどのような医療でしょうか?
先進医療とは、厚生労働大臣が定める最新の高度な技術を使った医療のことです。ポイントは3つありますので、一緒に順を追ってみていきましょう。
- 先進医療の治療は健康保険適用外になるため、かかった費用は全額自己負担になります。高額といわれる「陽子線治療」や「重粒子治療」は、300万円程度かかる場合もあります。
- 先進医療の種類は変動します。今は先進医療と見なされている治療でも、有効性や安全性が認められれば健康保険の範囲内治療に変わっていきます。
- 先進医療が受けられる医療機関は限られています。2013年2月1日時点で、重粒子線治療は全国で3つの医療機関、陽子線治療は全国で7つの医療機関でしか受けることができません(厚生労働省:第62回先進医療専門家会議議事次第)。
上記のような特徴を知った上で、先進医療への備えとして医療保険やがん保険に特約として付けることが多い「先進医療特約」について考えてみましょう。ちなみに、先進医療保障は特約でのみの加入で、単体で加入することはできません。
保険で先進医療の保障として多いのは、「先進医療の技術料を実費負担します」という内容のものです。実費負担といっても、1,000万円が上限になっているもの、2,000万円が上限になっているもの等、商品によって違いがあります。
また、特約の保険料は月100円前後という保険商品が多く、月1本の缶コーヒー代程度の負担で済みます。これはやはり、先進医療が受けられる医療機関が少ないため、保険金請求をする人が当然少ない、逆にいうと保険会社の負担が軽いことの裏返しかと思います。
結論としては、安い保険料ですので保険でカバーしておいてもいいでしょうし、先進医療の実施件数が少ないということであえて加入しないというのでもいいでしょう。
例えば、今加入されている医療保険に先進医療の保障が追加できないからといって、医療保険を加入し直すというところまで考える必要はなさそうです。新規で医療保険やがん保険の加入を検討する場合は、付けておくと安心できるかもしれません。
-
コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
-
コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。