1入院の支払限度日数
医療保険は、主に病気やケガでの入院・手術費用に備えるための保険です。しかし、入院給付金は、入院している限り受け取り続けることができるわけではなく、1入院あたりの支払限度日数が決められています。
1.「1入院の支払限度日数」の意味
1入院の支払限度日数は、一般的には同じ病気やケガでの1回あたりの入院に対して、決められている入院給付金が受け取れる期間になります。例えば、60日型の医療保険であれば、入院から退院まで60日分の入院給付金を受け取ることができます。
ただし、退院翌日から、一般的に180日以内に同じ病気で再度入院した場合は、前回入院の日数を引き継ぐことになります。例えば、肺がんで30日入院して退院し、3カ月後に再度肺がんで入院した場合、再入院は31日目からカウントされますので注意が必要です。
2.免責日数
最近は日帰り入院から保障される医療保険が多いですが、以前は給付金が支払われない期間が設けられている商品がありました。例えば、5日以上入院した場合に入院給付金を支払うという商品は、4日間の免責日数が設けられているということになります。
また、4日以内の入院では給付金が支払われませんが、5日以上入院した場合は1日目から支払われるような商品もあります。一般的に免責日数が長いほど保険料は安くなります。
3.さまざまなタイプ
医療保険によって1入院の支払限度日数は違い、40日・60日・120日・360日・730日等とさまざまなタイプがあります。保険料は日数の短いほうが安くなりますが、入退院を繰り返すようなリスクに備えるには、日数が長いタイプを選択することも考えられます。
長期入院が不安という場合は、「七大生活習慣病」の入院特約等で、比較的入院が長期化する傾向にある病気に備える方法もあります。
4.通算支払限度日数
医療保険には、1入院の支払限度日数とは別に「通算支払限度日数」も設けられているのが一般的です。例えば、通算730日や1,000日等と通算支払限度日数が設けられており、保険期間内の入院であっても、この日数を超えて入院した場合、入院給付金を受け取ることはできません。医療保険に加入を検討するときは、1入院の支払限度日数とともに、通算支払限度日数も一緒に確認するようにしましょう。
5.考え方
最近の医療保険の傾向としては、1入院の支払限度日数60日型が主流になっています。入院日数の短期化が進んでおり、60日あれば多くの病気に対応できるからというのが理由です。ただ、長期入院に備えたいというニーズもありますので、1入院の限度日数が120日型等、ある程度長期の入院に対応するタイプに加入するという選択もできるでしょう。
また、医療保険は60日型にし、がん保険は一般的に入院限度日数無制限となりますので、それらを併用して保険に加入するという選択肢もあります。
6.まとめ
私が相談対応をしている中では、60日型を希望される方が多く、120日型や360日型等の長期入院保障のある医療保険を選択される方は少ないです。それは、1入院の支払限度日数が長くなれば、その分保険料は高くなりますので、保障と保険料のバランスを考えて60日型を選択される方が多いのではと思っています。
商品選択の前に1入院の支払限度日数をどう決めるのかを考え、自分自身の希望に合う医療保険を選択するようにしましょう。
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コラム執筆者プロフィール
長谷 剛史 (ハセ タケシ) マイアドバイザー.jp®登録 - 学校法人・会計事務所勤務を経て2007年1月、大阪府堺市に独立系FP事務所を開業。
ファイナンシャルプランナーはお金の専門家ではありますが、幸せな家庭を作る専門家でありたいと常々思っています。
住宅・資産運用・保険の3つの分野に強いファイナンシャルプランナーとして、ライフプランを基本とした個別相談・講演・執筆等の活動を行っています。
ファイナンシャルプランナー 長谷 剛史
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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