医療保険に「女性疾病特約」は必要でしょうか?~その②
「女性特有のがん」は40歳~50歳の人に多い
女性特有の疾病の中でも、「入院」や「手術」が必要で費用がかかるのは、やはり「がん」です。
「独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター」が公表している「最新がん統計」の中に、「年齢部位別がん罹患数割合(2008年)」(以下表)があります。この表をみてみると、40歳~50歳代の女性のがんは、乳がんや子宮がん等の女性特有のがんの割合がとても多いことが確認できます。つい最近、アメリカの有名女優が、乳がんにかかっていないにもかかわらず、そのリスクをとるために乳房を切除したというニュースが話題となりました。女性の社会進出が目覚ましく、自分の生き方に対する「リスク」の考え方が変わってきている象徴的な話題です。では、女性特有の病気になることの「リスク」に対して、「女性疾病特約」は必要なのでしょうか?
<表:年齢部位別がん罹患数割合(女性)2008年>
「女性疾病特約」とは?
「女性疾病特約」とは、女性特有の疾病にかかり入院した場合に保障される特約で、医療保険に上乗せされる特約です。例えば、入院給付金5,000円の医療保険に女性疾病特約5,000円を付加していた場合、入院1日につき合計10,000円の入院給付金を受け取ることができます。
保険料は、主契約の医療保険の保険料に上乗せして保険料を支払うことになります。 保険会社によっては、女性疾病を特約ではなく主契約に織り込んで保障している保険会社もあります。対象となる疾病については、保険会社ごとに違いますので、約款やパンフレットを確認することが重要です。
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女性が病気になったときに必要なのは、医療費だけではない
女性疾病特約を付けなくても医療保険に加入していれば、女性特有の病気も保障されます。
それでは、特約を付けて上乗せする必要があるのでしょうか。
上記表でわかるように、女性の40歳~50歳にかけては「女性特有のがん」にかかる人が多くなります。この世代が病に倒れるとどのようなことが起こるかは前回のコラムでも触れましたが、「生活」にかかわる部分での支出が増えたり、収入が減ったりしてしまう可能性があります。
女性のライフスタイルは、年代によって変化していきます。女性は、家族のことも考えて自分の「リスク」に向き合わないといけません。
自分の生き方、家族のこと等、抱えているものは人それぞれです。それぞれの「リスク」に向き合うと、上乗せしてでも特約を付けるかどうかという答えがみえてくるのではないでしょうか。自分にもしものことがあった場合の蓄えがない場合には、自分のライフスタイルに合わせて「女性疾病特約」を活用してみてはいかがでしょうか。保障を厚くする必要のある期間を限定し、例えば、子どもが独立すれば特約を解約するということは保険商品によっては可能です。
保険は、リスクに備え、安心するために加入するものです。これからの自分に予測されるリスクはどのようなものか、また、そのリスクに備える方法としてどんなものがあるのか等、比較検討して結論を出しましょう!
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コラム執筆者プロフィール
瀬尾 由美子 (セオ ユミコ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー(CFP®)、宅地建物取引主任、エフピーおふぃす瀬尾代表。
銀行勤務後、FP資格取得。
家計を預かる生活者としての視点を活かし、個人向けに生活設計や保険の見直しなどのセミナー講師として活動。
同時にFP資格取得講座などの講師も務める。
モットーは「難しい話をわかりやすく」。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 瀬尾 由美子
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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