幼稚園児、保育園児のパパに向けて、子どものためのマネープランニング その6
「幼稚園児、保育園児のパパに向けて、子どものためのマネープランニング その3」でも少し触れましたが、子どもの将来の教育に必要なお金を貯めていく額や期間が各家庭でそれぞれ違うように、貯めていく方法も各家庭に合ったものを考えていかねばなりません。
今回は、貯めていく方法について、詳しく触れていきましょう。
大きく分けて「保険を活用する方法」と「自身で貯蓄運用する方法」の2つがあり、「保険を活用する方法」には学資保険を活用する方法と、低解約返戻金型の保険を活用する方法の主に2タイプがあります。
学資保険で貯める時のポイント
子どもの将来の教育のための貯蓄といえば、まず学資保険を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
学資保険には貯蓄機能と保険機能が備わっていますが、加入する目的は子どもの将来の教育のためのお金の積立ですから、大切なのは貯蓄機能です。
そのため、契約者(基本的にパパ、もしくは収入のあるママ)に万一のことがあったらそれ以降の保険料の支払は不要となる保険機能はメリットですが、子どもの病気やケガ等に対する保障等の保険機能は、貯蓄という観点から考えると省いてもいいでしょう。
その分、返戻率(支払った保険料に対する受け取る満期保険金(+お祝い金)の割合)を上げて確実に積み立てていくこと、そして大学受験期に間に合うように満期を設定しておくことがポイントです。
また、大学受験期以降に活用することを目的とした学資保険であれば、途中のお祝い金を受け取ることなく満期に一括で受け取るようなプランがいいですね。
契約時の返戻率が満期まで続くことは、この先にインフレの時代が来た時には割が合わなくなってしまう点だけは認識しておかねばなりません。毎月、毎年確実に貯蓄できていくことから、やりくりの中から自分で貯めていくのが苦手な方にとっては、とても有益な手段だと思われます。
加入が遅くなればなるほど短期間で貯めることになるわけですから、毎月の保険料は高くなるだけでなく、返戻率も下がってしまうので、学資保険で準備しようとされるならば少しでも早い方がいいでしょう。
低解約返戻金型保険で貯める時のポイント
また、同じく保険を使って子どもの将来のお金を貯める手段として、低解約返戻金型保険を活用される方が増えてきているように見受けられます。
低解約返戻金型の保険とは、普通の終身保険や定期保険と比べると保険料は安く、保険料支払期間中の解約返戻金は少ないけれど、保険料の支払が終わった後の解約返戻金は多くなるのが特徴です。
その利点を利用し、保険料を支払う年数を子どもにお金が必要な時期までの短期間に設定して支払を終えておき、お金が必要な時期に解約して解約返戻金を子どものために使うという方法です。
そもそも死亡保障の保険なので契約者のパパもしくはママが亡くなった時には死亡保険金がおり、それを子どもの教育のために使うことができますが、学資保険同様、契約時での利率で死亡保険金も解約返戻金が決まってしまうタイプのものではインフレ対応はできません。
契約者の年齢で保険料も決まるため、低解約返戻金型保険で準備されるならば少しでも早い方がよく、短期間で払い終えるように組みましょう。
貯蓄運用で貯める時のポイント
教育のためのお金に限らずどんなお金であっても、なんとなく貯めていこうでは、貯蓄目標金額に達することはなかなか難しいことだといってもいいでしょう。
なんとなく、にならないように、貯蓄できる仕組みを作ることが大切です。
例えば、日常に使う銀行口座や、その他の貯蓄用の口座とは別に、教育のための貯蓄用の口座を作ります。
できれば自動的に貯蓄できるような積立預金口座がいいですね。
つまり、給与や収入が入ってくる金融機関で新しく積立預金口座を作り、積立金額と引き落とし日を決め、手続きさえ取れば、仕組み作りの完成です。
その仕組みによってある程度貯まれば、積立預金口座から出金して、少し運用利回りのいいものに移し換えてもいいでしょう。
その際、このお金は必ず教育のために必要なお金であり、余剰金ではありませんので、ハイリスクハイリターンの商品での運用は避けることが絶対条件です。
また、大学受験期といったお金が必要な時期が何年後なのかを考え、その時に自由に引き出せるような形で運用商品を選びましょう。
考え方に合わせた準備方法を
大きく3つの方法を取り上げましたが、どの方法がベストかというのは、それぞれの考え方によって違ってきます。
万一の時には残してあげられる自身の死亡保障の一部になっていることが安心だと考える方は保険が向いているでしょうし、運用に関心が強く保険で貯めていく以上の運用利回りで増やしていきたいと運用に関心が強い方には貯蓄運用が向いているでしょう。
どちらかだけというわけではなく、保険と貯蓄運用の2本立てにし、考え方によってどちらに重点を置くか、つまり準備すべき金額のうち保険を活用する金額と、貯蓄運用で準備する金額の配分はどうするのか、ご夫婦で話し合ってみてはいかがでしょうか。
教育のためにお金が必要な時期は、もう決まっており、カウントダウンされています。
どの方法であろうと、早くプランを立てて準備に取り掛かりましょう。
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コラム執筆者プロフィール
川崎 由華 (カワサキ ユカ) マイアドバイザー.jp®登録 - CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、平成24年度日本FP協会「くらしとお金の相談室」相談員。
前職ではがん領域の薬を扱う製薬会社に勤務。
現在は2児の母をしながら、主婦向けのマネー講座や個人相談、執筆等ファイナンシャルプランナーとして活動中。
お金の数字だけの問題でなく、気持ちも汲み取れる身近で気さくな存在のファイナンシャルプランナーをモットーにしている。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 川崎 由華
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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