国内旅行保険を補償プランで選ぶ
はじめに
インターネット経由で契約する国内旅行保険の多くは、あらかじめいくつかの補償をセットした商品プランを用意し、そのなかから利用者が選択するようになっています。
保険会社によっては、セットプラン以外の組み合わせに対応する保険会社もありますが、少数です。以下、国内旅行保険を補償プランで選ぶ時のポイントについてみていきます。
保険会社によって異なる補償プラン
補償プランは保険会社により異なります。そのなかで、「死亡・後遺障害」「入院・手術・通院保険金」「個人賠償責任」がセットになったものがベーシックな補償プランかと考えます。
また、上記3つの補償にプラスして、「携行品損害」「救援者費用」の両方をセットにしている保険会社や、どちらか一方のみをセットにしている保険会社もあります。
それぞれの補償内容について
以下、補償内容について順番にみていきます。
「死亡・後遺障害」は、国内旅行中の事故によるケガが原因で、事故発生日からその日を含めて180日以内に死亡または後遺障害が生じた場合に、保険金が支払われる補償になります。
「入院・手術・通院保険金」は、国内旅行中の事故によるケガが原因で、事故発生日からその日を含めて180日以内に入院・通院をした場合、また、事故発生日からその日を含めて180日以内に傷害治療のために所定の手術を受けた場合に、それぞれ保険金が支払われます。
保険金が支払われない主なケースとして、けんか、自殺、脳疾患、スカイダイビングやピッケル等を使用した本格的な登山等によって生じたケガの場合が挙げられています。
この「死亡・後遺障害」「入院・手術・通院保険金」が主契約部分にあたり、全ての補償プラン型国内旅行保険で補償されています。
そして、この主契約部分の補償内容(保険金額)は、支払う保険料や旅行期間等により異なります。
「個人賠償責任」は、国内旅行中に偶然な事故によって他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に備えた補償です。保険金額の限度額を3,000万円前後で設定している保険会社が多いですが、1億円までの補償プランを用意している保険会社もあります。
「個人賠償責任」は、自動車保険の特約等で既に加入している場合もあります。保険金額を決める際には、事前に加入している他の保険の補償内容を確認することをおすすめします。
「携行品損害」は、国内旅行中の偶然な事故により、カメラを落として壊したり、衣類を汚したりした場合等に備えた補償になります。携行品のなかには、「有価証券」「定期券」等補償対象外となる物があります。事前に持ち物確認を行い、対象外の物を確認し、なるべく持っていかないようにしましょう。
携行品損害については、保険会社によっては補償プランに含まれていない場合や、プランの選択の仕方によって「補償なし」の設定をしている保険会社もあります。
設定している保険会社では、10万円や15万円、20万円とプランより選択できるようになっています。また、免責金額(自己負担額)を3,000円としている保険会社がほとんどですが、「免責なし」としている保険会社もあります。
「救援者費用」は、国内旅行中にケガで長期入院し、家族が看護のために現地の病院に行った場合の費用や、搭乗している飛行機が遭難した場合に、親族が負担した捜索救助費用などに備える補償になります。
この部分の保険金額については、一律にしている保険会社と保険料やプランによりバラつきのある保険会社、プランに救援者費用の項目がない保険会社などがあります。
旅行期間から補償プランを選ぶ場合
保険会社により補償プランの設定の仕方が異なります。その設定の仕方は、
- 1.最初に保険金額の違うプランのなかから選び、旅行期間に応じて保険料が異なる設定をしている保険会社
- 2.旅行期間を最初に選択し、そのなかにある補償プランから選ぶ設定にしている保険会社
に大別できます。
旅行期間にかかわらず、一定の補償を確保したいのであれば1.がいいでしょう。また、旅行期間に応じて補償内容を検討したいのであれば2.が適しているでしょう。
旅行目的から補償プランを選ぶ場合
スキーやハイキング、観光や温泉旅行等、旅行の目的によって「携行品損害」「救援者費用」の必要度が異なります。その場合には、「旅行期間から補償プランを選ぶ場合」のところでみた、2.の選択方法が有効かと考えます。
以上、補償プランに設定されている個々の補償内容と、補償プランの選び方についてみてきました。
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コラム執筆者プロフィール
恩田 雅之 (オンダ マサユキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 1959年東京生まれ。
2004年3月にCFP®資格を取得。
同年6月、札幌にて「オンダFP事務所」を開業。
資産運用をテーマとした個人向けのセミナー講師や3級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得の講師やライフプラン、金融保険関連のコラムやブログの執筆など中心に活動中。
ファイナンシャルプランナー 恩田 雅之
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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