国内旅行保険の選び方
はじめに
前回のコラムでは、国内旅行保険の必要性についてみてきました。
今回のコラムでは、国内旅行保険の選び方についてみていきます。
選び方の手順は、
- 1.旅行の危険度の確認
- 2.傷害保険や医療保険など既に加入している保険の確認
- 3.補償内容の選択
- 4.保険料による選択
の順番になるかと考えます。
旅行の危険度の確認
危険度の確認については、「旅行に行く場所」「旅行先で行うこと」「一緒に行くメンバー」という3つの視点から考えてみましょう。
例えば、
旅行に行く場所からみた分け方としては、「市内観光」「温泉地での滞在」「海や山」等があります。
旅行先で行うことからみた分け方では、「観光・グルメ」「温泉でリラックス」「サーフィンや登山、スキー等スポーツでアクティブに活動」等が挙げられます。
一緒に行くメンバーでの分け方は、「小さい子どもと一緒」「ご高齢の方と一緒」「20代~50代の比較的同世代だけ」等があります。
では上記、3つの視点から「ケガ」と「個人賠償責任」を中心にそれぞれの危険度を考えていきます。
ケガの危険度については、「海や山」、「サーフィンや登山、スキー等スポーツでアクティブに活動」が最も高いかと考えます。
個人賠償責任の危険度は、人に対しては「サーフィンや登山、スキー等スポーツでアクティブに活動」が最も高く、物に対しては「市内観光」が最も高いかと考えます。
また、一般的な旅行では「行く場所」や「行うこと」が1つの旅行計画の中で混在していることが多いかと思います。どの部分の比重が高いかを旅行計画等で確認しながら、危険度を把握することも必要になるでしょう。
傷害保険や医療保険等、既に加入している保険の確認
国内旅行保険の主契約は、急激かつ偶然な外来の事故によるケガに対する、死亡・後遺障害、入院・手術、通院等の補償になります。
既に傷害保険や医療保険等に加入しているのであれば、この部分の補償は重複してしまいます。その場合は国内旅行保険の主契約部分の保険金額を抑えるという選択が考えられます。
ただし、主契約と特約とをセットした形で販売されている国内旅行保険の場合は、主契約の保険金額を抑えると、連動して携行品損害等特約の補償金額も少なくなる保険もあります。どの部分の補償を重視するか、あらかじめ検討しておきましょう。
また、国内旅行保険の特約部分の個人賠償責任に対する補償についても、クレジットカード等で既に補償されている場合もありますので、その点についても確認をしておきましょう。
補償内容の選択
「既に加入している保険の確認」のところでも触れましたが、主契約と特約部分(賠償責任、携行品損害、救援者費用等)をオプションで選択できる保険会社と、主契約と特約をセットにしたタイプを用意している保険会社があります。
どちらかというと、セットタイプの国内旅行保険を用意している保険会社の方が多いようです。
セットタイプで用意している保険会社でも、加入希望者の申し出により、用意されているタイプ以外の対応をしてくれる保険会社もあります。
また、国内旅行保険では補償範囲から外れる、ピッケル等の登山用具を使用する山岳登はん等についても、別途特約を用意している保険会社もあります。
それ以外に「保険期間」や「補償される被保険者の年齢」等による選択も必要です。
保険期間に関しては、保険期間14日間までの保険会社、1カ月間までの保険会社等バラつきがあります。期間の長い旅行をする場合、保険会社の選択肢は狭まります。
また、被保険者の年齢では、最高年齢を満70歳以下と規定している保険会社もあります。家族旅行等で利用する場合、チェックが必要な項目になります。
補償内容を選択する際は、パンフレット等の欄外の細かい字の部分も読んでおきましょう。
保険料による選択
補償内容の選択が終わりましたら、最後に保険料の比較になります。
保険料の違いは、生命保険や医療保険等と同じように契約方法の違いが大きいようです。
インターネット限定の契約方法をとっている保険会社の方が、それ以外の保険会社に比べて保険料が低く抑えられる傾向があります。
以上、国内旅行保険を選ぶ際の検討事項を順番にみてまいりました。
-
コラム執筆者プロフィール
恩田 雅之 (オンダ マサユキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 1959年東京生まれ。
2004年3月にCFP®資格を取得。
同年6月、札幌にて「オンダFP事務所」を開業。
資産運用をテーマとした個人向けのセミナー講師や3級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得の講師やライフプラン、金融保険関連のコラムやブログの執筆など中心に活動中。
ファイナンシャルプランナー 恩田 雅之
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。