国内旅行保険とは
はじめに
国内旅行保険は、国内旅行のために自宅を出発して帰宅するまでの間の傷害等について保険金が支払われる保険です。国内旅行の期間だけの補償になります。
1週間程の旅行でしたら1,000円前後の保険料で加入することが可能です。
一般的に、自分自身のケガに備える主契約と、他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりした時の個人賠償責任や、カメラを落として壊した場合等の携行品に関する補償等の特約が用意されています。現在、主契約と特約を基本プランとしてセットで提供している保険会社が多くなっています。
主契約部分について
主契約は、急激かつ偶然な外来の事故によるケガをした時に、
- 1. 死亡・後遺障害
- 2. 入院・手術
- 3. 通院
に対して保険金が支払われます。
ただし、脳疾患などの疾病や、無免許運転や酒気帯び運転中のケガや、ピッケル等の登山用具を使用する山岳登はんや、ボブスレーなど危険なスポーツ中のケガなども補償の対象外となり、保険金は支払われません。保険金が支払われない主なケースは、普通傷害保険と同様の内容になっています。
特約部分について
国内旅行保険の主な特約は、個人賠償責任、携行品損害、救援者費用の3種類になります。
1. 個人賠償責任
国内旅行中にあやまって他人にケガをさせたり、他人の物を壊したりした場合の補償になります。1事故についての補償限度額を3,000万円と設定している会社が多いですが、1億円までの設定ができる会社もあります。特約が必要であるかどうかは既に加入の保険(クレジットカード付帯保険、自動車保険特約等)で、賠償責任保険などの特約をつけているかどうか、確認してみましょう。他の保険で加入している場合は特約を付ける必要性は低いかと思います。
2. 携行品損害
国内旅行中に携行品が盗難・火災などの偶然の事故で損害を受けた場合の補償特約になります。
携行品1つあたりの限度額があり、時価額または修理可能な場合は修理費用のいずれか低い額が支払われます。限度額は、保険会社や保険料により異なります。
支払われる保険金に対しては、一般的に免責(自己負担)金額3,000円が設定されていますので、その場合は、「支払われる保険金=損害額-3,000円(免責金額)」となります。
また、置き忘れ、紛失等については、補償の対象外になります。パンフレットや約款等で保険金が支払われない主なケースについて確認をしておきましょう。
3. 救援者費用
国内旅行中に飛行機や船の事故で、行方不明になったり遭難した場合の捜索救助費用や、ケガが原因で死亡したり長期入院したりした場合に家族が現地に行く費用が支払われる特約になります。入院は、継続して何日以上という条件があり、保険会社により日数にバラつきがあります。
ピッケル等の登山用具を使用する山岳登はんや、ロッククライミング中の事故については、補償の対象外となっています。
また、それ以外に、航空機が欠航した場合や着陸予定地を変更した場合にかかる宿泊費用を定額で補償する特約を用意している保険会社もあります。
その他 国内旅行保険のチェックポイント
最後に、国内旅行保険加入時におけるチェックポイントをまとめてみます。
1. 加入者年齢
保険会社により「年齢制限なし」「0歳~70歳まで」「満18歳以上」等、加入できる年齢にバラつきがあります。ご高齢の方やお子さまと旅行する場合、まず加入者年齢の範囲について確認しましょう。
2. 保険期間
1カ月、14日(13泊14日)、7日(6泊7日)等、加入できる保険期間は、保険会社により異なります。
3. 主契約部分について
既に傷害保険、生命保険、医療保険等に加入している場合は、補償が重複していないか確認し、保険料を安く抑えることを検討してみましょう。
4. 特約部分について
個人賠償責任は、上の部分でも触れましたが、一律に設定されている保険会社が多いため、携行品損害と救援者費用の保険金額の設定をどうするか、がポイントになります。
携行品損害保険については、ご自身が携行する物の価格から補償金額を決めて、保険会社や保険タイプの選択を行いましょう。
救援者費用保険は、旅行中に使用する乗り物や旅行先に応じて補償金額を決めて、保険会社や保険タイプの選択を行いましょう。
以上、国内旅行保険の概要と加入時のチェックポイントについてみていきました。
-
コラム執筆者プロフィール
恩田 雅之 (オンダ マサユキ) マイアドバイザー.jp®登録 - 1959年東京生まれ。
2004年3月にCFP®資格を取得。
同年6月、札幌にて「オンダFP事務所」を開業。
資産運用をテーマとした個人向けのセミナー講師や3級、2級ファイナンシャル・プランニング技能士取得の講師やライフプラン、金融保険関連のコラムやブログの執筆など中心に活動中。
ファイナンシャルプランナー 恩田 雅之
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。