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福岡県:やまあゆさん(25)

父は昔から酒、たばこが好きで、ほぼ毎日両方を摂取しております。父は現在50代なのですが、以前に比べ咳が増えたり食欲不振なことが増えたりしていて、がん患者が多い家系ですので、胃や肺や肝臓が悪いのではないかと心配しております。考えられる病気は何がありますでしょうか。また今から飲酒・喫煙を控えることによって症状が少しは改善されるでしょうか。

咳や食欲不振の症状についてお答えします。

症状から考えられる疾患

近頃お父さまの咳が増え、食欲不振があるとのこと、ご心配ですね。また、家系的にがんの方が多いということですね。長期間の飲酒・喫煙歴があるということもあり、考えられる病気はたくさんあるのですが、まず一番注意をしなければいけないのは、ご心配していらっしゃる、がんです。体重の減少や全身の倦怠感などの症状はないでしょうか。飲酒、喫煙を毎日されるということは、口腔内のがん、食道がん、胃がん、肺がん、喉頭がん、大腸がんといった多くのがんのリスクファクターをお持ちということになります。咳の症状が続くようならまず、呼吸器内科を受診してみるとよいでしょう。

呼吸器内科的な病気で疑われるものとしては、肺がんのほかに肺炎や慢性閉塞性肺疾患(COPD、主にたばこの煙が原因となって肺に炎症ができる病気)、咳喘息(気管支の慢性的な炎症で1カ月以上空咳が続くもの。大人の長引く咳の3分の1を占めているという頻度の高い疾患です)、あるいは昔の病気と思われがちですが、実は新規の感染者数が毎年一定数見られている、結核や百日咳などの可能性もあります。また、飲酒歴と食欲不振の点から、アルコール性の肝疾患などの可能性も考えられます。胃や食道等も心配ですから、消化器内科も合わせて受診されるとよいのではないでしょうか。

また例えば、咳喘息とアルコール性肝障害といった、二つの病態の組み合わせという可能性もあります。もちろん、単に風邪が長引いているなど、特に大きな身体的な問題はないという可能性も大いにありますが、年齢的にも、生活習慣の点からも、急いで治療をする必要のある疾患がないかどうか、一度確認しておくことは大切かと思います。

これをきっかけに禁煙・節酒しましょう

最後に、お酒やたばこを控えることによって改善するかというご質問に関してですが、咳に関しては、たばこをやめることで気道に刺激がなくなり、多くの場合、これまでよりは減ってくると思います。ただ、完全になくなるかどうかは、咳の原因によります。しかし、病気がCOPDなどであった場合、喫煙を継続することが命取りになることもありますので、いずれにしてもこれをきっかけに禁煙をされた方がよいと思います。また、飲酒に関しては受診の結果や、これまでの飲酒量にもよりますが、最低週に2回は休肝日を設け、楽しまれるにしても少量にとどめることをおすすめします。どうぞお大事にしてください。

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