検査を受けたら、慢性肝炎の初期段階と言わ…
検査を受けたら、慢性肝炎の初期段階と言われました。今はまだ薬をもらうための定期的な通院をしていますが、もし肝硬変になって入院するようなことになったらと心配です。入院が長くなるようですと家族の生活を変えることになりますし、金銭的なことも不安です。
症状をこれ以上悪化させないために、どんなことに気をつけて日常を過ごしたらいいでしょうか?
「慢性肝炎」で気をつけることについてお答えします。
「C型肝炎」の場合の食事について
慢性肝炎にかかられたとのことでご心配はつきないことでしょう。慢性肝炎はB型、C型のどちらになりますでしょうか。
C型肝炎では、鉄を制限した食事が推奨されています。C型肝炎ウイルスに感染している人の肝臓は、鉄を過剰に蓄積してしまうことが分かっています。鉄が過剰に肝臓に蓄積されてしまうと、鉄から生じるフリーラジカル(活性酸素など)が肝細胞の膜やDNAを傷つけます。それにより、肝炎が悪化し、さらには、肝がんの発生の原因にもなると考えられています。また、鉄を制限することで、肝炎の進行を食い止めることができるのではないかとも考えられています。
食べ物に含まれる鉄分には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は、肉や魚に多く含まれ、消化管から吸収される割合は23%ほどです。非ヘム鉄は、野菜や穀類に多く含まれ、吸収される割合は3~8%ほどです。食事で鉄を制限する場合には、吸収率の高いヘム鉄を含む食べ物に注意することが大切です。基本的なポイントとしては、以下のようになります。
- 肉は控えめにしましょう。特に鉄を多く含む牛肉、レバーには注意しましょう。
- 赤身魚、青魚、貝類は鉄の含有量が多いので、控えめにしましょう。白身魚は鉄の含有量が少ないので、大丈夫です。
- 卵のうち卵黄は鉄を多く含むので、控えめにしましょう。
- 緑の濃い野菜は避けましょう。
- ビタミンCは鉄の吸収を高めます。ビタミンCを多く含む果物は、間食でとるようにしましょう。
- 緑茶、コーヒー、紅茶などはタンニンを多く含みます。タンニンは、鉄と結合して、鉄の吸収を抑えます。積極的にとりましょう。
鉄を制限した食事療法は、栄養士の指導のもとに行われることが望まれます。詳しくは、かかりつけの医師に聞いてみましょう。
「B型肝炎」「C型肝炎」で気をつけること
それでは次に、B型、C型慢性肝炎に共通して気をつけたいことをみていきましょう。
- 栄養バランスを考えた食事を規則正しく
- 栄養バランスの取れた食事を1日3食しっかりとるようにしましょう。たんぱく質の多い食品をとるようにしてください。肝臓の機能が落ちてくると、たんぱく質を作る機能も落ちてきます。それを補うためにも、たんぱく質をたくさんとる必要があります。目安は、体重1kg当たり1.5gです。また、食後は30分~1時間程度横になりましょう。
- お酒は避ける
- お酒は、肝臓で解毒されます。肝臓の機能が下がっている慢性肝炎では、少しお酒を飲んだだけでも肝機能が悪化することがあります。基本的には、禁酒です。
- 薬の服用は慎重に
- 市販の薬には、肝臓に負担をかける薬もあります。風邪を引いただけで病院に行くのはおっくうかもしれませんが、慢性肝炎をお持ちであれば、念のため病院を受診し、肝臓にやさしい薬を出してもらいましょう。市販の薬を自己判断で飲むのは止めましょう。
- 仕事は無理をしない
- 普通に仕事をする分には問題ないでしょう。しかし、慢性肝炎は自覚症状があまりないため、知らずに無理をして、症状を悪化させる可能性があります。無理はせず、睡眠をしっかり取り、休養しましょう。
- 長風呂は避ける
- 熱めのお風呂に長い時間入ったり、サウナに入ったりすると、体力を消耗するので避けましょう。
- 旅行には慎重に
- 症状が落ち着いている場合には、旅行にも出たくなると思いますが、無理のないスケジュールでまわるようにしましょう。薬の携帯は忘れずに、そして、薬のリストもしっかり持っていきましょう。
いかがでしょうか。原則は、無理をしない、ということです。そして、かかりつけの医師の指示に従い、定期的に検査を受けて、肝臓の状態をしっかり診てもらうようにしましょう。
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