肝疾患の原因で最初に思い浮かぶのはやはり…
肝疾患の原因で最初に思い浮かぶのはやはりアルコールですが、お酒や暴飲暴食で不規則な生活を続けてしまうと肝疾患の病気になりやすいのかなと思います。
お酒を全く飲まない人でも肥満から肝疾患の病気になることがあると聞きましたが、肝疾患を治すには専門の食事療法で治療した方が回復が早いのでしょうか?
また、自宅での食事などで気をつけなくてはいけないことなどがあったら知りたいです。
「脂肪肝」についてお答えします。
「脂肪肝」とは
暴飲暴食による肥満や、お酒の飲み過ぎが原因となる肝臓の病気としては、脂肪肝が挙げられますね。脂肪肝は、よく聞く病名ですが、なかなか具体的にイメージすることは難しい病気なのではないでしょうか。まず、簡単に脂肪肝になるメカニズムからご説明したいと思います。
食べ物として摂取された脂肪は、口から取り込まれ、食道、胃を通って小腸まで運ばれます。小腸では脂肪を分解する酵素であるリパーゼの働きによって脂肪は脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。この分解された形で脂肪酸となった脂肪は肝臓に送られます。このため脂肪や糖分をとり過ぎると肝臓に負担がかかり、脂肪酸から肝臓で作られる中性脂肪の形でためこまれることになります。これが脂肪肝です。アルコールの飲み過ぎによっても、やはり同様に肝臓に脂肪がたまってしまいます。また、糖尿病をお持ちの方も、代謝の異常により、脂肪肝になりやすい傾向があります。
このように脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪やコレステロールがたまった、いわば肝臓の肥満のような状態です。そのため、脂肪肝は動脈硬化など、さまざまな病気の引き金になることが知られています。ご質問にあったように、脂肪や糖分の多い食事が続けば、全くお酒を飲まない方でも脂肪肝になることがあります。
「脂肪肝」の治療法
脂肪肝は幸い、可逆性、つまり適切な治療により健康な肝臓に戻れる状態です。そして、脂肪肝を治すには、やはり食事療法、運動療法が有効です。もちろん、高度な脂肪肝の場合や、自己流でなかなか改善がみられない場合は専門知識を持った医師や栄養士の指導を受けて治療を行った方がよいかと思いますが、ご自宅での食事や運動、例えば暴飲暴食を避け、食事はカロリーの低いもの、脂質の少ないものを心がける、アルコールは量・回数を減らして週2回は休肝日を作る、週に4時間程度を目標に生活に運動を取り入れる、といったやり方でも十分に改善は期待できます。まずは試してみてはいかがでしょうか。どうぞお大事にしてください。
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