20年ほど前から胸の痛みと背中・のど・右…
20年ほど前から胸の痛みと背中・のど・右鼻に違和感があります。
胃カメラでも異常なく、狭心症の検査も行い、ニトロを飲んでも効かなかったので、そのまま通院していません。20年前は1分ほどだったのですが、今では長いときは30分ほど痛みが続きます。先日耳鼻科も受診しましたが異常ありませんでした。受診はしていませんが、起立性低血圧もあると思います。
何の病気か不安です。教えてください。
胸の痛みと、背中・のど・鼻の違和感についてお答えします。
「微小血管狭心症(びしょうけっかんきょうしんしょう)(MVA)」について
胸の痛みと、背中、のど、右鼻に違和感があるということですね。以前、胃カメラで異常がみられず、狭心症の検査でニトロを服用したけれども効果がみられなかったが、最近では痛みの持続時間が長くなってきており、ご自身としては起立性低血圧の症状も自覚していらっしゃるということでよろしいでしょうか。
広範囲にわたって症状が出ており、専門の先生が診察されてもはっきりした病名がついていないようなので、私がこれらの情報から病名を推測するのは非常に困難なのですが、比較的最近、1998年よりニトロの効かない狭心症である、「微小血管狭心症(MVA)」という新しい疾患概念が出てきていますので、ご紹介したいと思います。
一般的に、狭心症を診断する際には、特徴的な心電図変化があること、ニトログリセリン製剤など硝酸薬を舌下することで症状が消失する、といったことにより診断されます。しかし、ニトログリセリン製剤が約半分の患者さんにしか効かないという特殊な狭心症の存在が明らかになりました。これが、微小血管狭心症であり、一般的な狭心症のように冠動脈の狭窄やれん縮によって起こる狭心症ではなく、心臓の筋肉の中の細い血管のれん縮や閉塞により、血流不足が起きて胸痛を呈するものと考えられています。
特徴としては、中高年の女性に多く、心電図の特徴的な変化は見られるがニトログリセリンが半数くらいでしか効かないこと、痛みが出る時間や状況はさまざまで、1時間半を超えて長い間続くこともあること、などが挙げられます。今までは、いわゆる心臓神経症の一種などとされてきましたが、現在では原因もわかってカルシウム拮抗薬(きっこうやく)を用いた治療が定着してきています。
循環器内科の受診をおすすめします
ご相談者さまの症状が微小血管狭心症によるものであるかどうかはわかりませんが、発作の時間が長くなってきていること、長期間循環器内科を受診されていないことなどから、一度受診してご相談されてみることをおすすめいたします。どうぞお大事にしてください。
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