赤ちゃんの身長と体重には、意外と個人差がある
子育ては親の思い通りにいかないことが多く、毎日ハプニングの連続です。突然高熱が出たり、台の上から落ちてケガをしたりするようなことが頻繁にあります。親としてはいろいろな状況を想定して事前に回避できるよう努力していますが、時には想定外のことが起きてしまうものです。
そこで今回は、子どものことで最初に起こりうる想定外の機会の「出産」に関係した統計を紹介します。現実を知り、視野(想定内)を広くして、想定外のことが起きても慌てることのないようにしておきましょう。
分娩に占める帝王切開の割合は24%(一般病院)
表1は厚生労働省の統計調査「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」から、一般病院の分娩件数に対する帝王切開娩出術の割合をまとめたものです。
表1:分娩件数に対する帝王切開娩出術の割合(一般病院)
※件数は各年の9月中の数値
※平成23年は宮城県の石巻医療圏、気仙沼医療圏および福島県の全域を除いた数値
資料:厚生労働省「医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」をもとに執筆者作成
帝王切開による出産の割合は調査の度に増えており、昭和59年にはわずか8.2%でしたが、27年経った平成23年には約3倍の24.1%に増えています。帝王切開をする事情はいろいろあるでしょうが、手術をすれば分娩費用にプラスしてその分の費用が当然かかります。生命保険会社の医療保険等では、帝王切開娩出術は一般的に手術給付金の保障対象になっているので、想定外の帝王切開娩出術に備えて、妊娠前から医療保険へ加入しておくのも良いでしょう。
出生時の体重の実態
図1は厚生労働省の「人口動態統計2012年」から、出生時の赤ちゃんの体重を表したものです。体重を100gごとに階級分けし、499g以下と6,000g以上はひとまとめにし、不詳は除いています。
図1:出生時の体重階級別出生数
資料:厚生労働省「平成24年(2012)人口動態統計(確定数)の概況」をもとに執筆者作成
平成24年の出生数103万7,231人のうち、体重別に最も出生数の多い階級は3,000g~3,099gの109,281人で、全体の10.5%を占めています。2,800g~3,299gの5階級で全体の約半数(506,695人)、2,500g~3,499gの10階級で全体の約8割(828,201人)となっています。ただ、2,500gに満たない小柄な赤ちゃんも約1割(99,311人)いて、特に小柄な500gに満たない赤ちゃんが293人います。その一方で、3,500g以上の大柄な赤ちゃんも約1割(109,533人)いて、特に大柄な赤ちゃんは5,800g(5,800g~5,899gに2人)にもなります。
平均体重はちょうど3kgですが、男の子が3.04kg、女の子が2.96kgと、性別によって若干の差があります。昔から何となく、出産時の体重は3kgというイメージがありましたが、平均的にはそのままの結果になっています。ただ、最も小柄な赤ちゃんと最も大柄な赤ちゃんの体重に10倍以上の開きがあるように、出生時の体重は意外と個人差が大きいようです。
出生時の身長の実態
最後は出生時の身長についてです。図2は厚生労働省の統計調査「人口動態統計2012年」から、出生時の赤ちゃんの身長を表したものです。身長を1cmごとに階級分けし、24cm以下と60cm以上はひとまとめにし、不詳は除いています。
図2:出生時の身長階級別出生数
資料:厚生労働省「平成24年(2012)人口動態統計(確定数)の概況」をもとに執筆者作成
平成24年の出生数103万7,231人のうち、身長別に最も出生数の多い階級は50cmの211,979人で、全体の約2割を占めています。中心的な48cm~50cmの3階級で570,634人と全体の半数を超えていて、46cm~52cmの7階級で全体の約9割(936,633人)となっています。ただ、46cmに満たない小柄な赤ちゃんも約6%(64,627人)いて、特に小柄な25cmに満たない赤ちゃんが32人います。その一方で、53cm以上の大柄な赤ちゃんも約3%(33,691人)いて、中には60cmを超える大柄な赤ちゃんもいます。
平均身長は48.9cmですが、男の子が49.2cm、女の子が48.6cmと、体重と同様に男の子の方が若干大きくなっています。最も大柄な赤ちゃんは平均より10cm以上も大きいですが、最も小柄な赤ちゃんは平均の半分しかありません。
平成24年の出生に関する統計調査結果からは、身長60cm・体重5,500gという大柄な赤ちゃんが生まれる可能性もあれば、身長25cm・体重500gという小柄な赤ちゃんが生まれる可能性もあることがわかります。出産を控えた当事者の母親や父親からすれば、平均的な赤ちゃんが生まれることを切に願うでしょうが、出生時の身長や体重には想像以上の差があるという現実も知っておきましょう。そして万全な態勢で我が子を迎えたいものですね。
※医療保険の保障対象や給付の可否等の詳細については、保険会社や医療保険を取り扱っている保険代理店へ確認してください
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 松浦 建二
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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