子どもにかかる教育費相場(幼稚園)
子どもにかかる教育費の実態を事前に知っておくと、子どもの進路の選択肢を確保したり費用の準備をしたりするのに役立ちます。文部科学省「子どもの学習費調査」の調査結果をもとに、幼稚園から順にみていきます。子どもの教育費(学習費)が気になる子育て世代は要チェックです。
私立幼稚園の学習費総額は公立より年30万円も多い
文部科学省「子どもの学習費調査」は平成6年(1994年)から隔年に実施されているもので、保護者が子どもの学校教育や学校外活動にどのくらいかけているかの実態を知ることができます。
- ※言葉の説明
- 学習費総額…学校教育費、学校給食費、学校外活動費の合計
- 学校教育費…授業料(保育料)、遠足費、PTA会費、入園料、通学費等の合計
- 学校外活動費…補助学習費(家庭内学習費等)とその他の学校外活動費(習い事等)の合計
下記のグラフは公立・私立幼稚園の学習費総額の推移を表したものです。学習費総額には保育料の他に習い事等の費用も含まれています。
●学習費総額の推移(幼稚園)
資料:文部科学省「平成22年度子どもの学習費調査」をもとに筆者作成
平成22年の学習費総額(年間)は、公立幼稚園が231,920円、私立幼稚園が537,518円となっています。月額で計算すると公立が2万円弱、私立が4万5千円程度で、私立は公立より年間約30万円(2.3倍)も多くかかります。
幼稚園は公私で保育料の差が大きい
次の2つのグラフは、公立と私立の学習費総額の内訳を表したものです。パーセント表示(%)は、学習費総額に占める割合です。
●公立幼稚園の学習費内訳
資料:文部科学省「平成22年度子どもの学習費調査」をもとに筆者作成
●私立幼稚園の学習費内訳
資料:文部科学省「平成22年度子どもの学習費調査」をもとに筆者作成
幼稚園の場合の授業料とは保育料のことですが、公立と私立ではこの保育料に最も大きな差(約17万円)があります。その他では、PTA会費や寄附金以外の学校納付金(入園料、冷暖房費、後援会費等)に約4万円、学習塾費(学習塾等の入会金、月謝、教材費等)に約2万円の差があります。
幼稚園は小学校や中学校と違い、地域によって公立の受け入れ規模がかなり異なります。入園を希望しても抽選で外れてしまう場合や、地域に公立幼稚園が全くない場合もあります。公立へ入園できるかどうか、幼稚園以外の選択や補助金の有無等ある程度は事前に確認することができます。そのため居住する場所等も含めて、早めに準備していくことが望ましいです。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 松浦 建二
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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