学資(子供)保険のメリット・デメリット
将来の教育資金への備えとして、学資(子供)保険を活用する人はとても多いです。他にも教育資金を準備する方法はいろいろあるなかで、なぜ学資保険が人気なのか、学資保険のメリットやデメリットについてまとめてみました。
学資(子供)保険を活用するメリット
学資保険は他の教育資金を準備する方法と比べて、主に次のようなメリットがあります。
- ① 煩わしさがない
- 学資保険は長期間にわたって計画的な積み立てができるので、途中で満期がきて他の商品に入り直すような手続きの煩わしさはありません。例えば、子どもが生まれてすぐの0歳から大学へ入学する18歳までの18年間の積み立てを、一つの学資保険で一度だけの加入手続きで継続していくことができます。
- ② 受取額が明確
- 学資保険は、加入(契約)した時点で、将来支払う保険料や受け取る学資金の額が全て決まります(有配当等の一部の学資保険を除く)。そのため、将来のライフプランがとても立てやすくなります。
- ③ 親の死亡時に保険料免除
- 学資(子供)保険は、生命保険商品なので保障機能が付いています。契約者である親等が亡くなった場合は、その後の保険料負担がなく学資金を受け取ることができます。親等が亡くなっても教育資金を備えられる安心感は、他の金融商品にはない大きな特長です。
- ④ 税負担が軽い
- 契約者(保険料負担者)が一時的に受け取る学資金は、通常一時所得として所得税の課税対象になります。税額計算をする際は、特別控除額(最高50万円)があったり、一時所得額の1/2を他の所得と合算したりすることから、他の金融商品に比べて税負担が軽くなりやすいです。
※学資金の受け取り方によっては、雑所得扱いとなる場合もあります。また、税負担額は他の所得状況によって異なります。詳しくは、保険会社や税務署等へ確認してください。
学資(子供)保険を活用するデメリット
メリットがあれば、学資保険特有のデメリットもあります。
- ① 途中で解約しづらい
- 学資保険は定期的に保険料を支払い、大学入学時等の定まった時期に学資金を受け取る内容になっていますが、契約期間がとても長いため、途中で保険料を払い続けるのが困難になるとか、契約した受取時期よりも早く資金が必要になる可能性はゼロではありません。しかし、本来受取時期以外に解約すると、学資金として受け取るよりも返戻率が低くなってしまうことも考えられます。
- ② インフレに対応しづらい
- 学資保険は契約時点で、将来支払う保険料や受け取る学資金の額が決まる固定利回りの金融商品であり、将来貨幣価値が変わったとしても、内容の変更ができません。仮にインフレになって授業料等が値上げされたら、積立額を増やさないと足りなくなってしまいます。ただ、収入も同様に増えていれば、支払う授業料等の負担感はあまり変わらないはずです。
- ③ 保険会社の破たんリスクがある
- 学資保険は預金保険制度の対象ではなく、生命保険会社の生命保険契約者保護機構の対象となっています。生命保険会社が破たんした場合、加入している保険契約が消滅することはありませんが、100%保護されるわけではないので、将来受け取る学資金が減ってしまう可能性もあります。長期の契約なので、安心できる保険会社を選んでおきたいものです。
学資(子供)保険のメリット・デメリットをまとめてみましたが、個々の捉え方によっては、あてはまらない項目もあれば気にしない項目もあるかもしれません。一般論として参考にしてください。
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コラム監修者プロフィール
山本 俊成 (ヤマモト トシナリ) マイアドバイザー.jp®登録 - ファイナンシャルプランナー。
大学卒業後、株式会社三和銀行(現三菱UFJ銀行)入社。
2003年、外資系生命保険会社入社。
2005年、総合保険代理店株式会社ウィッシュ入社。
2010年、株式会社ファイナンシャル・マネジメント設立。
銀行と保険会社に勤めていた経験を活かし実務的なコンサルティングを行う。
ファイナンシャルプランナー 松浦 建二
※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。
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