小学生にみる「習い事」の実態とかかるお金
子どもの「教育費」を出生~大学卒業までと考えた場合、一番お金がかからないのは、一般的に幼稚園・保育園入園前の0歳~3歳までです。
次にお金がかからないのは、いつの時期でしょう。公立の幼稚園が少ない昨今では、幼稚園は私立が多く、保育園も収入によってかかる費用が違うことを考えると、公立小学校の6年間が、次にお金がかからない時期と考えます。
将来の教育資金を準備するには、子どもにお金がかからない時期に貯めていくのが、家計への負担感が少ないといえますが、小学生の時期は教育費がかからない分、学校以外に子どもに対してお金をかけたくなる時期でもあります。
小学生の時期は、親として、自分の子どもの適正を見つけたい思いが強く、いろんな経験をさせる意味で、「習い事」等を複数している子どもは少なくありません。
小学生の「習い事」の実態
以下の図は、習い事を含む学校外での学習活動をしている割合です。
小学生では約8割の子どもが学校以外での学習活動をしており、その約4割が複数の異なる学習活動をしていることがわかります。
出典:文部科学省 平成20年「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」
では、小学生の子どもにとって「習い事」は好きなのでしょうか。
文部科学省の上記調査報告によると、小学生では、どの学年でも約8割近くが「好き」と回答しており、楽しんで習い事をしていることがうかがえます。
その中でも一番好きな習い事は以下の図の通りです(図は中学生も含まれています)。
男子はスポーツ系が多く、女子は芸術系が多いことがわかります。
一番好きなならいごとは何か
出典:文部科学省 平成20年「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」
「習い事」にかかるお金
塾等の学習以外の「習い事」にかかるお金の実態はどのようになっているのでしょうか。
文部科学省同調査によると、小学校低学年の平均は、6,444円。高学年では6,244円となっています。下記は月謝の価格帯別の分布図になります。
多い人では2万円も費やしていることがわかります。
ならいごとの月謝
出典:文部科学省 平成20年「子どもの学校外での学習活動に関する実態調査報告」
習い事のお金は、毎月の家計費から捻出している家庭がほとんどでしょう。
習い事が多くなってしまうと、家計の中の「固定費」が増えてしまいます。小学生のうちに、将来家計費からは賄えない教育資金を貯めるとしたら、固定費増は、教育資金準備にも影響が出てくることが想像できます。
かといって、子どもが好きで楽しんでいる習い事を、やめさせるわけにはいきませんね。好きであるか、楽しんでいるか等その家庭での価値観で、「習い事」を選別していくのも親としての役目で、悩ましい所でもあります。
では、どのように選別していくのがよいのでしょうか。その一つとしては、子どもとのコミュニケーションは重要でしょう。習い事を始めるのも、やめるのも親子でよく話し合い納得して選択しましょう。
繰り返しになりますが、小学生のうちが教育資金を貯める時期です。
それを意識するだけで、家計管理に対する意識も変わってきます。少しでもよいから「貯める」という意識を持ちましょう。
その手段としては、「学資保険」(※)を利用するか、銀行等で「積立」貯蓄する等方法は考えられますが、そのメリット・デメリットをよく理解したうえで、選択しましょう。
※学資保険の加入条件として、子どもの年齢が7歳までという保険商品が多いので、小学生の場合、子どもの年齢によっては活用できません
小学生のうちは、学校にかかる費用が少ない分、習い事にお金を使ってしまいがちです。
子どもの適性をしっかり見極めて、使う教育費と貯める教育資金のバランスをしっかりと意識するのが、この時期を乗り切るポイントです。
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